和田秀樹医師の回答
いろいろなサプリメントや食事がアルツハイマー病の予防になるといわれていますが、確たるエビデンスがあるものはそんなにないのが実情です。
今の医学界では、糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすいとされていますし、福岡県の久山町の長年にわたる追跡調査では、糖尿病の人はそうでない人の2倍以上アルツハイマー病になるとされています。ところが、私が以前勤務していた高齢者専門の浴風会病院では、糖尿病の人はアルツハイマー病にならないという言い伝えがあり、調べてみると糖尿病でない人のほうが糖尿病の人の3倍もアルツハイマー病になっていました。
実は、この2つのデータには背景の違いがあります。久山町では糖尿病の人には全例、治療をしていたのですが、浴風会では糖尿病が高齢者の死亡率を上げないというデータがあるので、積極治療をしていませんでした。この結果から、私は糖尿病治療によって生じる低血糖のほうがアルツハイマー病の原因になるのではと考えています。ということで、やはり十分な栄養を取ることが大切です。
あと、同じ浴風会病院の解剖結果では85歳を過ぎてアルツハイマー型の変性が起こっていない人はいませんでした。でも4割くらいしかボケ症状は出ていません。アルツハイマー病を避けることはできなくても、頭を使っていれば発症を遅らせることができるというのが私の実感です。
──和田秀樹(精神科医)

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