僕のこの視点は、たぶんというか間違いなく、成瀬や制作側の狙いとは違う。でもラストの三千代のナレーション「(略)その男のそばに寄り添って、その男と一緒に幸福を求めながら生きていくこと。(略)女の幸福とは、そんなものではないのだろうか」も含めてエンディングの展開には(あまりに前時代的すぎることは前提としても)、トラップかアイロニーではないかと思いたくなるほどに不穏な雰囲気が漂っている。

......ような気がする。まあこれは、エンディングに納得できない僕の願望が反映された見方であることは言うまでもない。

newsweekjp_20250424104414.png
めし』(1951年) 監督/成瀬巳喜男 出演/上原 謙、原 節子、島崎雪子、進藤英太郎

<本誌2025年5月6日/13日合併号掲載>

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます