偽・誤情報対策の鍵となる市民の力

見直しの議論では、偽・誤情報の脅威およびその対策は根拠が乏しいことが指摘されることが多い。裏付けのない脅威を煽ってきたと言っているわけで、偽・誤情報対策そのものが陰謀論やナラティブだったと言うに等しい。こんなことになってしまったのには理由がある。

 

以前に記事(英暴動は他人事ではない......偽・誤情報の「不都合な真実」)に書いたように、メディアにとって偽・誤情報問題は読者に受けがよく、クレームが少ない貴重なテーマなのだ。

とりあえずSNSプラットフォーム企業を批判しておけば記事が成立する。そのせいで2015年から2023年の米主要紙の調査では偽・誤情報は3番目に多くより上げられていた(中でもSNSプラットフォームへの批判記事がもっとも多かった)。

政府にとっては、やっかいな国内問題に市民の目が向くのを避けて、ロシアの脅威を持ち出して、安全保障問題にすり替えることができる。調査研究機関や専門家にとっても、偽・誤情報問題が大きくなれば新しい資金を得られる可能性が増える。

「偽・誤情報の脅威」という陰謀論は、情報への不信を広げ、政府への不満を増大させ、分断を広げている。その解決には真偽判定や偽・誤情報拡散アカウントのテイクダウンのような対症療法だけでは逆効果になる。

基礎的な対策として、政府、メディア、研究者によって誇張された偽・誤情報問題を実態に即した形で把握し直し、信頼関係を再構築する必要があるのだ。

信頼関係が確立されていれば、偽・誤情報がばらまかれても信じる人や拡散する人は少なく、それによって破壊的な行動を起こす人はほとんどいなくなる。

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