「権威」の言うことが常に正しいとは限らない

もう1つ、本書で気になるのは編集の在り方だ。大村氏を前面に押し出すのは良かったのだろうか。ノーベル賞は確かに権威であり、受賞者の発言は重く受け止められる。普通の科学者やジャーナリストの発言とは社会的な影響力が違うのも事実だ。政府とも、医学界の主流とも異なる見解を述べる姿勢を痛快に思う人もいるだろう。なんといっても、本書は全国学校図書館協議会選定図書だ。しかし、権威が「こう言っているから」といっても、それが正しいとは限らない。

イベルメクチンは救世主候補だったことはあっても、救世主になり得る可能性は後退している。現状を覆す論文が発表されるのなら、早く読みたいと心から思うのだが。

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