拉致問題に熱心に取り組みたいという気持ちは分かるが、では「政治は結果」だと豪語した安倍政権で結果を残せなかった責任をどう感じているのか。せっかくここまで菅に接近しながら見えてくるのは、永田町の権力闘争が好きな、古典的な「政治屋」でしかない。

都合のいい話ばかりをつなぎ合わせれば本書のように描ける。だが、つまるところ本書は「菅義偉」という人間をこう見てくれたらうれしいという願望が反映された本であり、肝心なところは何も分からない。もしかしたら、それは「政治屋」としての本分を見せたいという作家の芸なのかもしれないが......。

<本誌2020年9月29日号掲載>

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