<文在寅大統領が残り少ない任期期間にK防疫に専念せざるを得ない理由が統計で明らかになった>
*このコラムの内容は筆者個人の見解で、所属する組織とは関係ありません。
昨年12月のクリスマス前後に1日1000人を超えていた韓国における新型コロナウイルスの新規感染者数は、その後減少したものの最近でも1日平均400人前後の新規感染者が発生している。また、その影響もあってか、政権初期に84.1%まで上昇していた文在寅大統領の支持率はその後低下の傾向が鮮明になり、2021年3月2週目の支持率は37.7%まで下落した。

出所)韓国疾病管理庁のホームページより筆者作成

出所)リアルメータのホームページより筆者作成
政権や大統領の支持率は国内の経済状況や政治的スキャンダル等国内外の多様な要因の影響を受けることが多い。では、韓国における新型コロナウイルスの感染拡大は文在寅政権の支持率とどのような関係があっただろうか。
この関係を分析するために、韓国で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された2020年1月19日から今年の3月2週までの新規感染者数と韓国の世論調査専門企業「リアルメータ」が毎週月曜日に発表している大統領の支持率を用いた。
データに基づいて1週間(月曜日~日曜日)の新規感染者数とその次の週の月曜日の支持率の関係をみたところ、両者の間には負の相関があり(相関係数は-0.66)、統計的に有意であることが明らかになった。特に、1週間の新規感染者数が7,207人だった昨年の12月末の次の週である今年の1月1週目の文大統領の支持率は35.5%と、文政権が誕生してから最も低い数値を記録した。

出所)韓国疾病管理庁、リアルメータのホームページより筆者作成
もちろん、最近、文大統領の支持率が低下しているのは新型コロナウイルスの新規感染者数のみならず、不動産政策の失敗による首都圏を中心とした不動産価格の上昇、新型コロナウイルスの影響による経済のマイナス成長、北朝鮮との関係悪化、検察改革を巡る検察との対立等様々な要因が関係していると考えられる。しかしながら変異ウイルスが増加する等新型コロナウイルス感染症が、未だ収束していない現状を考えると、新型コロナウイルスに対する対策をおろそかにすることはできないだろう。
大統領の任期が1年と2カ月しか残っていない時点で支持率が30%後半であることは、歴代政権と比べると決して低い数値ではない。但し、今後新型コロナウイルスに対する対策の効果がどう表れるか、また、4月のソウル市長と釜山市長の補欠選挙の結果がどうなるかによって、来年5月の大統領選挙の結果は大きく変わると考えられる。文大統領がK防疫に専念せざるを得ない理由がここにある。