いっぽう、戦力化までの育成シナリオに関してはどうか。これが「万全」である会社はどれぐらいあるでしょうか。

断言しますが、0%に限りなく近いことでしょう。

育成シナリオが「万全」の会社が、採用基準を下げるわけがないからです。

当社が運営する「強くて愛される会社研究所」では、毎月、小さくても業績がよく、社員がキラキラ輝いて働いている中小企業の視察に出かけています。

そのような選りすぐりの中小企業になら、「万全」な育成シナリオがあります。だからこそ、多くの社員が成長の実感を覚え、やりがいをもって働き、会社を盛り立てます。そして社風が素晴らしいため、優秀な若者たちを惹きつけます。どんなに採用基準を上げても、採用に困ることはない企業ばかりです。

ですから、「万全」な育成シナリオを持っているなら、採用基準を下げる必要などないのです。

採用は結婚と同じ

人を採用する際、決して「点」で捉えるべきではありません。たった一度の採用失敗で、会社が倒産することもある時代です。したがって、「線」で考えるのです。人を採用したら、その人が辞めるまで、企業は責任を負うことになるのですから。

結婚と同じように、慎重に、じっくりと選考していきましょう。


「じっくり選んでいたら、すぐにどこかの企業にとられてしまう」

ということを言う人がいますが、この発想はよくありません。焦れば焦るほど、採用眼が甘くなります。結婚は多少甘くしてもいいでしょうが、人の採用を甘くすると――文字通り――取り返しがつきません。

プロの採用知識を手に入れ、企業はもっと正しい採用活動に力を注ぐべきです。企業存続を考えたとき、「入れてから育てる」という時代ではなくなったのですから。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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※8月27日号(8月20日発売)は、「香港の出口」特集。終わりの見えないデモと警察の「暴力」――「中国軍介入」以外の結末はないのか。香港版天安門事件となる可能性から、武力鎮圧が起こったらその後に起こること、武装警察部隊の正体まで。また、デモ隊は暴徒なのか英雄なのかを、デモ現場のルポから描きます。