<営業の経験もないのに営業に口を出してくる人事が増えている。それは決して若者のためにならない>

頭上を旋回するヘリコプターのように部下を監視し、トラブルが起きたら急降下して、すぐさま介入する上司を「ヘリコプター上司」といいます。採用難の時代に離職されては困るので、いらぬ手出しをし続けてしまうのです。

「見積り資料の作り方がわからない? わかった。おい、高橋君、どうして見積り資料のマニュアルを作っておかないんだ? 新入社員が困るだろう」

「あれ? これは誰に頼まれた仕事? 生産管理部の主任に言われた? 冗談じゃない。これは生産管理部がやる仕事だ。ちょっと文句を言ってくる。私に任せておきなさい」

......などと、頼まれてもいないのに。

部下を人間扱いせず、罵倒したり無視したりするブラック上司とは真逆の存在です。しかし、こんな過干渉を続けていれば、若い人たちの自主性や、判断能力は育ちません。乱暴な表現かもしれませんが、若手のうちはハードワークをこなし、「叱られながら育つ」ものです。

ヘリコプター人事部の妨害

直属の上司ではなく、人事部そのものが「ヘリコプター化」するケースもあります。私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。営業に、お客様との接点量を爆発的に増やしてもらい、関係性を構築し、見込み客の資産形成を促すことをメインにお手伝いしています。

私どものやり方に賛同するのは、ほとんどのケースにおいて経営者だけです。営業部は、日ごろからの営業活動を根本的に変えなければならなくなるので、激しく抵抗してきます。したがって私たちがコンサルティングする際、一番初めにやらなくてはならいのが、当事者である営業部員たちの意識改革です。

市場の分析、正しい顧客戦略をしたうえで、ポテンシャルのあるお客様に対して継続的に接点を持ち、未来の「見込み客」になってもらうために関係性を構築することはとても重要。これをキチンと説明すれば、営業部の人たちは理解してくれます。

新しいことをするのに、体は抵抗しても、頭ではわかってくれるものです。

ところが、当事者の営業部ではなく、人事部が出てくる場合が最近増えています。営業活動を根本的に理解していない人は、「単純接触を繰り返すことで、お客様との人間的な繋がりができ、相手が聞く耳を持つようになって初めて、こちらの提案にも耳を傾けてくれる」という発想がわかりません。

「今の時代、馬鹿みたいにお客様のところへ通わせて意味があるのか? 特に若手にそんなことをさせたら、すぐ会社を辞めてしまう!」

「若手社員に対する指導があいまい過ぎる。誰もがわかるように、もっとマニュアルを整備してほしい」

当事者である営業担当者たちが興ざめするぐらいに、部外者である人事部が乗り込んでくるのです。

私どもコンサルタントは、このようなケースを事前に想定し、経営者と関係を構築しておきます。ヘリコプター人事部を説得できるのは経営者しかいないからです。

理解=言葉×体験