・ワクチン接種が遅れがちな日本と対照的に、イスラエルは国民の約60%が接種を受けているとみられ、「成功例」としてしばしば取り上げられる。

・しかし、イスラエルが医療・衛生などの責任を負うべきパレスチナ占領地では、ワクチン接種がほとんど進んでおらず、感染者も増え続けている。

・これに関して、国連や人権団体からは国際法違反という批判もあがっているが、イスラエルを長年支援してきたアメリカなどは沈黙を貫いている。

コロナワクチンの接種に関して「成功例」として注目を集めるイスラエルだが、各国メディアによる礼賛の影には捨てられた人々もいる。

「成功」の影の人々

コロナワクチンの接種が極めてスピーディーに行われている国として、最近イスラエルがしばしば取り上げられる。

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University of Oxford, Our World in Data

実際、イスラエルでは累計接種回数がすでに1,046万回(4月27日)に及ぶが、これはイスラエル人口(923万人)を上回る。一人で複数回接種した人もあるため、オックスフォード大学のデータベースOur World in Dataによると、人口の約60%が接種しているとみられる。

その結果、イスラエルではイベントや会食などが相次いで解禁され、4月22日には1日のコロナ死者が10カ月ぶりにゼロになったと報告されるなど、コロナ克服の成果も出ている。

イスラエルの場合、人口が日本の10分の1以下という規模の小ささが有利に働いたことは確かだ。そのうえ、独立から周囲のアラブ諸国と緊張を抱え、常に平時と戦時の区別がほとんどないなかで培われた危機管理体制がコロナという未曾有の危機においても有効に機能したことは疑えない。

しかし、イスラエルの「成功」にはあまり語られない側面もある。国民向けの接種がスピーディーに行われる一方、本来イスラエル政府にワクチン接種の責任があるにもかかわらず、半ば放置されている人々もいることだ。それはイスラエルが軍事的に占領しているパレスチナに暮らす人々である。

忘れられる占領地

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルなど10団体は昨年12月、共同声明を発表し、このなかでイスラエル政府が戦時における義務を定めた国際法、第4ジュネーブ条約に違反すると告発した。ジュネーブ条約では占領地での文民保護などが定められており、医療、衛生の確保などもそれに含まれる。

データは政治的
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