香港やタイに加えて、台湾の独立を求める若者も参加するこのネットワークは、東南アジアなどでポピュラーな、ミルク入りのスパイシーな紅茶にちなんで「ミルクティー同盟」と呼ばれる。

ミャンマーの若者たちもミルクティー同盟と結びつき、その手法を取り入れるなか、デモを拡大させてきたのだ。

シンボルとマニュアルの共有

ミルクティー同盟は単なるネット上での結びつきにとどまらず、ミャンマーの抗議デモにとって実践的な意味をもつ。

例えば、ミャンマーの抗議デモでは多くの参加者が三本の指を掲げる敬礼をみせているが、これはもともとタイでみられたものだ。そのおおもとは、2012年に公開されたディストピア映画「ハンガー・ゲーム」で登場人物が用いていたサインといわれる(もとの意味は感謝、称賛、愛する者との別れ)。

このようにポップカルチャーからヒントを得るのは、その良し悪しはともかく、現代の抗議デモでは珍しくない。その親しみやすさからミャンマーでは若者だけでなく、コロナ対策の防護服をまとった医療従事者も、厳格そうな僧侶や教師も、老若男女を問わず三本指を立てて連帯の意志を示している。

シンボルだけではない。香港からはミャンマーに抗議活動のマニュアルが渡っている。

香港デモの中心となった若者は、その経験から得られたノウハウをSNSで共有し、蓄積し、改良を重ねた。統一されたものではないが、何人もの活動家がそれぞれリコメンドしているものをあげていくと、例えば、

・催涙ガスや警棒に備えてヘルメット、ゴーグル、マスクは必需品

・警官に追跡されたときに逃れられるように着替えを用意しておくとよい

・簡単な食糧と水を用意しておく

・荷物を積めるのは、動きやすいようにバックパックにする

・活動の連絡・調整には(Twitterなどより規制の緩い)Telegramを使う

・匿名で情報を共有する際にはAirdropを使う

・逮捕された際にはiPhoneなどの顔認証を使用できなくする

こうしたマニュアルをビルマ語に翻訳し、SNSで共有した男性はロイターのインタビューに「近くの国で若者がどうやって政治に参加しているかがわかった。それが我々を後押ししている」と述べている。

中国はアジアを代表するか

ミルクティー同盟の参加者たちは基本的にそれぞれの国の独裁的な政府への抗議活動を続けているが、中国はその「共通の敵」と位置付けられている。香港はいうまでもないが、タイやミャンマーの軍事政権は政治的、経済的に中国の後ろ盾を頼みの綱にしているからだ。

中国をも揺さぶり始める
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