最新記事
ジェンダー格差

「子どもは欲しいがワンオペはきつい」......非婚就業に傾く日本女性の理想と現実

2024年2月7日(水)11時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

家事・育児の「ワンオペ」が課されるとなると、仕事を継続にするにしてもフルタイムで働くことは難しくなり、稼ぎも目減りする。とくに高学歴の女性の場合は、それが顕著だ。大卒の有業者の年収中央値を年齢層別に計算し、線でつないだグラフにすると<図1>のようになる。

data240207-chart02.png

 
 

通常は年齢が上がるにつれて収入は多くなるものだが、既婚女性だけは20代後半をピークに減少していく。結婚・出産によるもの、いわゆる「マミートラック」に絡めとられているためであるのは明らかだ。未婚の男女では差はあまりない。異常なのは既婚の夫婦で、妻の収入が夫に吸い取られているかのようなグラフだ。

他国でも同じと思われるかもしれないが、以前に筆者が試算したところ、未婚よりも既婚・子持ちの女性の収入が多い国もある(「女性の収入面の『子育て罰』が特に大きい日本社会」本サイト、2023年5月10日掲載)。日本の状況を、致し方ないことと放置していい理由はどこにもない。

女性のライフコース展望の理想と予想に隔たりがあるのは、こうした不当な現実があるのを見越してのことだ。止まらない未婚化・少子化は、それに対する女性の異議申し立ての結果とも言える。

<資料:国立社会保障・人口問題研究所『第16回・出生動向基本調査』(2021年)
    総務省『就業構造基本調査』(2022年)

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

前場の日経平均反落、円高が重し 半導体株高は支え

ビジネス

独自動車大手3社トップ、インド・EUのFTA最終合

ビジネス

インド・アダニ、旅客機製造に参入 ブラジル・エンブ

ワールド

前日の北朝鮮発射、短距離弾道ミサイルと推定=官房副
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    「恐ろしい...」キリバスの孤島で「体が制御不能」に…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    生活保護と医療保険、外国人「乱用」の真実
  • 10
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中