最新記事

2016米大統領選

トランプは討論会で危機回避に成功するも、党の懸念は緩和できず

2016年10月12日(水)10時48分

 10月10日、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏(写真)は、9日の第2回討論会で、物議をかもす情報流出に見舞われた自身の選挙戦をかろうじて存続させられる程度の結果は出せたかもしれない。ミズーリ州で9日代表撮影(2016年 ロイター/Saul Loeb/Pool)

米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は、9日の第2回討論会で、物議をかもす情報流出に見舞われた自身の選挙戦をかろうじて存続させられる程度の結果は出せたかもしれない。

だがその一方で、トランプ氏を見捨てようと考えている共和党議員をさらに強硬な立場へと追いやった可能性がある。

トランプ氏が討論会で自滅していたならば、女性へのわいせつ発言を受け、共和党の議員や幹部のあいだで同氏を見捨てる流れは勢いを増し、大統領選撤退を求める声が高まっていただろう。

しかし、そのような事態にはならなかった。トランプ氏が大統領候補になったことで、党の分裂を目の当たりにしてきた共和党議員は、おなじみのジレンマに再び直面している。

つまりそれは、接戦が予想される議会選を危うくさせている、手負いの候補者を公に見捨てるのか、それとも、ホワイトハウスへの道がまだ閉ざされていないとのかすかな希望を胸に候補者に対する支援を続けるのか、ということだ。

トランプ氏は1回目の討論会よりも積極的かつ自制の利いたパフォーマンスを見せ、民主党のヒラリー・クリントン氏の国務長官時代の私用メール問題を攻撃するだけでなく、夫のビル・クリントン元大統領の不貞行為を蒸し返した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

フィリピン船や乗組員に被害及ぼす行動は「無責任」、

ワールド

米大学の反戦デモ、強制排除続く UCLAで200人

ビジネス

仏ソジェン、第1四半期は減益も予想上回る 投資銀行

ワールド

EUと米、ジョージアのスパイ法案非難 現地では抗議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中