最新記事

映画

「人生の50年を好きなことに費やした」名優キャシー・ベイツが励んだ「台所仕事」とは?

Enjoying Her Third Act

2023年06月03日(土)17時13分
H・アラン・スコット(ライター、コメディアン)
キャシー・ベイツ

「ドレスアップしてこそ演じるキャラが立つ」と語るベイツ JEFF KRAVITZーFILMMAGIC/GETTY IMAGES

<監督から信頼される名優が70年代の人気小説を映画化した最新作『神さま、わたしマーガレットです』で祖母役を熱演。大先輩からの言葉を頭の片隅に、模索してきたキャリアについて>

年は無駄に重ねるものではない。少年少女向け小説の名手ジュディ・ブルームの大ヒット作『 >神さま、わたしマーガレットです』(1970年)が、なぜか今、映画化された(全米公開中)。

難しい時代に、苦しみもだえながらも成長していく主人公の少女マーガレット。彼女の前に立ちはだかる祖母シルビアを熱演したのは、1990年の『ミザリー』でアカデミー賞主演女優賞に輝いた74歳のキャシー・ベイツだ。

「演技の心はドレスアップ。思いっきりドレスアップしてこそ、演じるキャラが立ってくる」と、ベイツは言う。

シルビアのキャラを探しあぐねていたとき、ベイツは大先輩ジェシカ・タンディの言葉を思い出したそうだ。

「これは台所仕事なの。スープの材料を全て集めたら、みんな鍋に入れて」、役柄が浮かび上がるのを待てばいいのだと。言われたとおり、ベイツはひたすら「台所仕事」に励んできた。

2011年に始まったテレビドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』ではエミー賞を受賞し、半世紀にわたるキャリアの「第3幕」の始まりを告げた。今は1980年代の人気ドラマ「マトロック」の男女逆転リメーク版に主演している。

「人生の過去50年を好きなことに費やすことができて、本当に幸せ」と言うベイツに、ライターのH・アラン・スコットが聞いた。

◇ ◇ ◇


──原作小説はいつ知った?

本が出た頃の私は、ワシントンでベトナム戦争反対のデモに参加していた。だから読んでない。でも、読んでいたらよかったと思う。少年少女たちへの素敵なメッセージね。あの時代にこんな小説を書くなんてすごい。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

26年の米成長率予想2%に上振れ、雇用は低調に推移

ワールド

元FBI長官とNY司法長官に対する訴追、米地裁が無

ワールド

再送-トランプ氏、4月の訪中招待受入れ 習氏も国賓

ワールド

米・ウクライナ、和平案巡り進展 ゼレンスキー氏週内
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    メーガン妃からキャサリン妃への「同情発言」が話題…

  • 3

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 3

    むしろ足止め歓迎! 世界の風変わり空港9選

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    加工した自撮り写真のように整形したい......インス…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    【独占】「難しいけれど、スローダウンする」...カナ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:世界も「老害」戦争

特集:世界も「老害」戦争

2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に