「本当の自分」を見てほしいのに、そうはいかない美人の辛さ
The Lady Vanishes

エキゾチックな美しさを持つラマー SUNSET BOULEVARDーCORBIS/GETTY IMAGES
<「Wi‒Fiの原型」を開発したヘディ・ラマーの喜びと苦悩にフィクションを織り交ぜた小説が光を当てる>
一見したところ、2人の女性に大きな共通点はなさそうに見える。ミレバ・マリッチは天才物理学者アルバート・アインシュタインの最初の妻で、物静かで、自らも優秀な物理学者。ヘディ・ラマーはハリウッド黄金時代に「世界一の美女」とうたわれたことがある女優だ。
だが、2人を主人公にした小説を書いたマリー・ベネディクトによると、マリッチとラマーの間には明確な共通点がある。それは不屈の精神と、周囲が押し付ける型にはまらない強い意志、そして「影の立役者」という、現代も多くの女性が(意図せず)陥りがちな役回りだ。
弁護士から作家に転じたベネディクトは、16年にマリッチの生涯をベースにした『ジ・アザー・アインシュタイン』を、そして今年1月にラマーを主人公にした『ジ・オンリー・ウーマン・イン・ザ・ルーム』を発表した。どちらも純粋な伝記ではなく、フィクションを織り交ぜた小説という体裁を取る。
2人の女性は、それぞれ紆余曲折を経て「本当の自分」を見つけていく。マリッチは女の子が物理学を学べる場所がないセルビアの田舎町から、スイスの工科大学へと進み、アインシュタインと出会って結婚する。アインシュタインはそれから程なくして相対性理論を発表しただけに、マリッチの貢献があったのではないかとベネディクトが勘繰るのは無理もない。
一方、ラマーは世界的な映画スターとなった後に、周波数ホッピングという通信方式を発明して特許を取得する。現代の携帯電話やWi-Fi、そしてGPSにつながる基本技術だ。
ベネディクトは、ラマーがヘドウィヒ・キースラーという名前で故郷ウィーンに住んでいた時代に興味を抱く。「もちろん銀幕のスターのヘディは、『影の立役者』とは程遠い。でも、へドウィヒと名乗っていた頃は無名の存在だった」
演技を始めて間もない18歳のとき、ラマーはチェコ映画『春の調べ』(1933年)に出演して、スキャンダラスなヌードを披露。たちまち大きな話題となる。だがその翌年、オーストリアの富豪フリッツ・マンドルとさっさと結婚してしまう。
「彼女とマンドルの結婚生活は、驚きのエピソードにあふれている」と、ベネディクトは語る。マンドルは武器商人で、彼のパーティーにはムソリーニやヒトラーが来たこともあると、ラマーは自伝に書いている(その一方で、マンドルは反ナチ団体に武器を供給していたという説もある)。
【参考記事】21世紀版『美女と野獣』で描かれる現代の女性像
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