ニュース速報
ワールド

イスラエルがガザ大規模攻撃、死者400人超 ハマス「停戦合意違反」

2025年03月18日(火)21時14分

3月18日、イスラエル軍は未明にパレスチナ自治区ガザの数十の標的を攻撃したと発表した。写真は同日、ガザ南部ハンユニスの、イスラエル軍の攻撃を受けた避難民キャンプで撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)

James Mackenzie Nidal al-Mughrabi Alexander Cornwell

[エルサレム/カイロ 18日 ロイター] - イスラエル軍は、18日未明にパレスチナ自治区ガザの数十の標的を攻撃、400人以上が死亡した。イスラム組織ハマスと1月に合意した停戦の延長交渉が膠着する中、大規模な攻撃に踏み切った。ハマスは停戦合意違反だと非難した。

パレスチナ保健当局によると、空爆で多くの子どもを含む404人が死亡、562人が負傷した。ハマスの幹部も複数死亡したもようだ。

イスラエル軍は、ハマスによる攻撃を阻止するための「先制攻撃」とし、ハマスの中級司令官や幹部を標的にしたと明らかにした。

イスラエル首相府は「ハマスが人質解放を繰り返し拒否し、ウィットコフ米大統領特使や仲介者から受け取った提案を全て拒否した」ことを受けた措置と説明。「イスラエルは今後、軍事力を強めてハマスに対し行動する」と表明した。

ハマスはイスラエルが停戦合意を破棄したと非難する声明を出した。ガザではなお59人の人質が解放されずにいる。

米ホワイトハウスのヒューズ報道官は、今回の攻撃について、事前にイスラエルから話があったと明らかにした。その上で「ハマスは、人質を解放して停戦を延長することもできたが、拒否と戦争を選択した」と述べた。

イスラエル軍は、ハマスの戦闘指揮官や幹部、関連インフラを標的に攻撃したとし、必要な限り攻撃を継続すると表明した。攻撃は空から以外にも拡大するとし、再び地上戦を展開する可能性を示唆した。

攻撃は北部のガザ市、中南部のデイルアルバラ、ハンユニス、最南部ラファなどと広範囲に及んだ。パレスチナ保健当局者は死者の多くは子どもだったと明らかにした。

ハマス関係者によると、少なくともハマス幹部5人とその家族が殺害された。政治部門幹部のモハメド・アル・ジュマシ氏が自宅への空爆により死亡し、同氏の孫を含む家族も犠牲になった。

これまでの爆撃で被害を受けた病院には負傷者が運び込まれ、血に染まった白いビニール袋に包まれた遺体が山積みにされているのが確認された。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB3会合連続で0.25%利下げ、 反対3票 来

ビジネス

FRBに十分な利下げ余地、追加措置必要の可能性も=

ビジネス

米雇用コスト、第3四半期は前期比0.8%上昇 予想

ワールド

米地裁、トランプ氏のLAへの派兵中止命じる 大統領
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中