ニュース速報

ビジネス

APEC貿易相、共同声明で合意至らず ロシアと中国が文言に反対

2023年05月29日(月)08時44分

米通商代表部(USTR)のタイ代表は26日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合ではウクライナに関する文言を巡りロシアと中国が反対する中、共同声明で合意することが出来なかったことを受け、11月にワシントン州シアトルで開催されるAPEC首脳会議で共同声明が発出されることを望むと述べた。ブラジリアで3月撮影(2023年 ロイター/ADRIANO MACHADO)

[デトロイト 26日 ロイター] - アジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合は26日、包括的で持続可能な貿易を促進することで一致したものの、ロシアと中国がウクライナに関する文言に反対したため、共同声明には合意できなかった。

APEC議長国を務める米国のタイ通商代表は、共同声明の代わりに協議内容をまとめた議長声明を発表。「われわれは自由で開かれた、公正で差別のない、透明で包括的かつ予測可能な貿易・投資環境を提供するという決意を再確認する」と表明した。

また、世界貿易機関(WTO)を中核とするルールに則った多国間貿易システムへのコミットメントを再確認。「われわれは良好な貿易・投資環境を醸成するために公平な競争を確保する努力を続けるとともに、市場の開放を維持し、サプライチェーン(供給網)の混乱に対処するためのコミットメントを再確認する」とした。

昨年11月にバンコクで開催されたAPEC首脳会議では、ウクライナ戦争とそれに伴う人的被害や経済的影響を「ほとんどの加盟国が」強く非難するという文言を承認した。

しかし、今回の会合では中国とロシアがこの文言を入れることに反対。議長声明は、見解の相違があったとした上で、「APECは安全保障問題を解決するフォーラムではない」とした。

タイ氏は記者会見で、11月にサンフランシスコで開催されるAPEC首脳会議では共同声明が発表できることを望むと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中