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平野美紀|オーストラリア

サッカー・カタールW杯と人権問題、声をあげたオーストラリア代表

カタールが抱える人権問題に対し、「無視できない」と声をあげたサッカールズの選手たちによるメッセージ動画。(Fox Sportsより。※記事へのリンクは本文中にあります)

4年に一度のサッカーの祭典 ワールドカップ「カタール大会」が開幕した。グループステージで日本代表が強豪ドイツを破る大金星で活気づいているが、サッカルーズの愛称で国民から親しまれているオーストラリア代表も2戦目でチュニジアを破り、12年ぶりのW杯勝利に沸いている。

始まってみれば、サッカルーズの勝敗に国民が一喜一憂するほどとなっているカタール大会だが、始まる前は、このまま開催されるのだろか?という懸念すらあった。サッカルーズのチーム内では、今回のW杯をボイコットすべきだとの意見も噴出したという。

それは、開催地カタールという国が抱える人権問題だ。カタールにおける移民労働者やLGBTQ+に対する扱いをはじめとする人権侵害は、これまでも度々各方面で取り上げられてきた。(参照

これに対し、サッカルーズのメンバーがW杯参加資格のある代表チームとして、世界で初めて声をあげたのだ。その動画がこれだ。

このビデオメッセージで、代表チームの16選手が移民労働者やLGBTQ+の扱われ方を批判。カタールでは、同性愛は違法となり、死刑になる可能性があること、また、海外からの移民労働者の処遇の劣悪さや死者が多いことなどを問題視し、その改善を求めたものだ。カタールがW杯の開催権を獲得した2010年から10年間で、準備のために海外からやってきた労働者約6,500人が死亡したと報道されている。(参照

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劣悪な労働条件や自由な恋愛など、人権問題がくすぶるカタールW杯。(Credit:Mabdelrazek-iStock)

サッカルーズが口火を切ったことで、他国の代表チームやサッカー関係者も声を上げ始め、英BBCは開会式の放送を取りやめた。(参照

また、こうした動きの中で、世界のアスリートやセレブリティ、ファンなどが観戦をボイコットする「ボイコット・カタール」ムーブメントが起こっているという。(参照

その国の独自のルールがあるとはいえ、大会を開催するために搾取された労働や自由な恋愛といった人権に関わる問題に対して、他国のスポーツ選手(しかも、W杯出場国の選手)が声をあげることは、相当勇気がいることだったのではないだろうか。もしかしたら、出場停止処分になったかもしれないとすら思う。そこを一歩踏み込んで、声をあげたサッカルーズの選手たち。そして、それを支持した豪サッカー協会に、大きな拍手を送りたい。

余談だが、サッカルーズには、日本のJリーグでプレーする選手が2人選出されている。1人は、2戦目のオーストラリア vs チュニジア戦で決勝弾を決めたファジアーノ岡山のミッチェル・デューク選手、もう1人はアルビレックス新潟のトーマス・デン選手。今大会では、日本の地元の人たちからの応援も彼らの大きな力となっているはずだ。

.。oO(日本とオーストラリアが共に決勝ステージに進めますように!(祈))〈了〉

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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