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岩手県の30代前半男性の平均年収は、大谷翔平の150億円を加えると約2割も増加する

2025年8月27日(水)11時30分
舞田敏彦(教育社会学者)
収入格差

「普通」の実態を知るには平均値よりも中央値の方がいい photoAC

<平均値には、一部の極端なデータで値が大きく歪められる欠点がある>

データというのは数字の羅列で、それを整理する第一歩は度数分布の形にすることだ。年収だったら、300万円台は何人、400万円台は何人、......1000万円以上は何人というように、階級ごとの人数の表にする。これを見れば、どれくらいの年収の人が多いかが分かる。

だが人と話す時、度数分布表をいちいち見せるわけにはいかないし、聞く側にしても、まず知りたいのはフツーの値だ。そのためにあるのが代表値で、平均値がよく使われる。全国学力テストの結果が公表されると、各地の関係者は、自分たちの地域の平均点はどれくらいか、全国水準を上回っているか、他の地域と比べてどうか、ということに関心を持つ。「自分の年収が高いかどうかを知るには、平均値と比較するのがよい」と言う人もいる。


しかし平均値は、データの合算を個数で割ったものなので、一部の極端な値に影響される。米メジャーリーグのドジャースでプレーする大谷翔平選手の年収は、日本円にして約150億円だそうだ。岩手県の出身で現在31歳。本県の30代前半男性にこの人を加えたら、年収の平均値はどれほど変わるか。

newsweekjp20250827014103.png

<表1>は、岩手県の30代前半男性(2万3900人)の年収分布だ。度数分布表から平均値を計算する時は階級値を使う。階級幅の真ん中の値で、年収300万円台の人は一律に中間の350万円とみなす。この場合、平均値は以下のようにして算出される。

{(25万円×400人)+(75万円×700人)+...(1625万円×100人)}/2万3900人=357万円

岩手県の30代前半男性(2万3900人)の平均年収は357万円。これに大谷選手1人(赤字)を加えたらどうなるか。上記の計算式の分子に150億円を足し、分母を2万3901人として再計算すると420万円となる。たった1人のスターを加えるだけで、県全体の30代前半男性の平均年収は2割ほど上がる。

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