最新記事
米中関係

アメリカに「火遊びやめよ」...中国がヘグセス国防長官の発言に強く警告

2025年6月2日(月)09時09分
ヘグセス国防長官

6月1日、中国外務省は、シンガポールにおけるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)でのヘグセス米国防長官の発言について、中国を中傷し、地域諸国からの平和を求める声を意図的に無視しているなどと強く非難し、米政府に抗議した。写真は5月31日、シャングリラ会合でスピーチするヘグセス氏(2025年 ロイター/Edgar Su)

中国外務省は1日、シンガポールにおけるアジア安全保障会議(シャングリラ会合)でのヘグセス米国防長官の発言について、中国を中傷し、地域諸国からの平和を求める声を意図的に無視しているなどと強く非難し、米政府に抗議した。

ヘグセス氏は中国の脅威が差し迫っており、インド太平洋地域の同盟国・友好国に防衛費増額を求めるとともに、抑止力を再構築して中国の侵略を阻止すると強調した。


 

これに対して中国外務省は「ヘグセス氏はことさらに陣営間を対立させる冷戦的思考を宣伝し、中国の名誉を傷付け、不当に脅威呼ばわりしている」と反論。米国が南シナ海に攻撃的な武器を配備し、アジア太平洋に緊張を生み出してこの地域を火薬庫に転じさせつつあると付け加えた。

また同省は、米国は台湾問題で「火遊び」をしてはならないと警告した。ヘグセス氏は先に、中国によるいかなる台湾侵攻の試みも「破滅的な結果をもたらす」と演説していた。

一方中国国防省は、米国はシャングリラ会合を「不和の醸成や利己的な利益追求」の場として利用するのに手慣れていると述べ、中国軍は地域諸国と協力し、アジア太平洋に有害な覇権主義へ反対していくと主張した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 韓国新大統領
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月10日号(6月3日発売)は「韓国新大統領」特集。出直し大統領選を制する「政策なきポピュリスト」李在明の多難な前途――執筆:木村 幹(神戸大大学院教授)

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


テクノロジー
「誰もが虜になる」爽快体験...次世代エアモビリティが起こす「空の移動革命」の無限の可能性
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、関税影響見極めに時間的余裕 経済堅調で=ア

ビジネス

米4月求人件数、19.1万件増 先行き懸念で解雇が

ワールド

台湾、関税巡り米と「緊密な意思疎通」継続 一時停止

ワールド

ウクライナ和平「極めて複雑」、早急な解決期待できず
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び込んだドローンで軍用機41機を破壊
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    韓国大統領選挙、最終投票率79.4% 一部では二重投票…
  • 7
    女性が愛馬に「後輩ペット」を紹介...亀を見た馬の「…
  • 8
    「不思議な発疹」の写真に、ネットで議論沸騰...医師…
  • 9
    【クイズ】医薬品や放射線シールドとして使われる「…
  • 10
    「過去最高の税収増」の皮肉...トランプ関税が米雇用…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 10
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中