ノーベル経済学者すら「愚挙」と断じるトランプ関税...トランプは何を勘違いしている?

ABSURD TARIFFS WILL BACKFIRE

2025年4月11日(金)12時50分
マイケル・ハーシュ(フォーリン・ポリシー誌コラムニスト)

それでもトランプが目指すのは、何十年も前のアメリカ政府と同じ「保護主義の壁」の構築だ。そして現に、一定の成果は上げているように見える。

例えば韓国の現代自動車グループは、高率関税の脅威(と、自国がアメリカの核の傘に守られているという現実)を踏まえて新たに210億ドルの対米投資を発表している。共和党の地盤であるルイジアナ州に製鉄所を新設し、1400人以上の雇用を創出するという。台湾のTSMC(台湾積体電路製造)や日本のソフトバンクグループも莫大な対米投資計画を公表している。


アメリカ企業の一部も製造部門の国内回帰を表明している。例えばアップルは2月に、AI(人工知能)向けサーバーの生産工場をテキサス州に新設するなど、5000億ドル以上の投資計画を明らかにした。

そもそもトランプは、ニューヨークで不動産業者として羽振りを利かせていた頃から一貫してアメリカの慢性的な貿易赤字に不満を抱き、世界経済を支えるためにアメリカが過大な負担を強いられているとも批判してきた。「わが国は世界中の国々の面倒を見ている」とトランプは言った。「軍隊に金を出し、彼らが払うべき一切合切を払ってやっている。なのに、われわれが少しでも節約しようとすると、見捨てるつもりかと腹を立てる。だが、こちらも自国民の面倒を見なければならない。悪いが、これからは自国民優先だ」

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