最新記事
EV

テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?

Regretful Cybertruck Owners Claim Tesla Won't Take Back Their Vehicles

2025年3月7日(金)10時50分
ヘスス・メサ
マスク氏の右傾化が招いた悲劇…テスラ所有者の後悔 I'M ZION-Unsplash

マスク氏の右傾化が招いた悲劇…テスラ所有者の後悔 I'M ZION-Unsplash

<かつては羨望の的だったテスラ。しかし、今では所有すること自体がリスクになりつつある。再販価値は暴落し、テスラでさえ下取りを拒否。オーナーたちは「負債を抱えた」と嘆き、政治的なレッテルを貼られることさえある。未来の車がなぜこうなったのか?>

新しもの好きにとって、テスラのサイバートラックはステータスだった。フルバッテリーEVのステンレス製ボディは、映画「ブレードランナー」から抜け出た未来のような存在感を放った。この車をいち早く手に入れたバイヤーにとって、今もその存在感は続く。ただし、まったく違う意味合いで。

再販価値の急落、下取り拒否、かぎ十字の落書き、車体に貼られたステッカー。後悔の念に駆られたサイバートラックのオーナーは、嫌がらせ防止のため車を偽装するようになった。非難の矛先はテスラのイーロン・マスクCEOに向かう。

マサチューセッツ州サウスボローで美容外科クリニックを営むEVファンのクメイト・ジャロジ氏は2024年4月、宣伝になるからとサイバートラックを購入した。「見た目が気に入った。移動手段として必要だったし、『素晴らしい、電気だからランニングコストも安い』と単純に思った」と本誌に打ち明ける。

ところがマスク氏は政治的にどんどん右傾化していった。トランプ支持を表明してペンシルベニア州でトランプ陣営のために数百万ドルを拠出。ヨーロッパでは極右に肩入れし、挙げ句の果てにトランプ大統領の就任式で、あの敬礼をして見せた。気が付くと、ジャロジ氏も巻き込まれていた。

「最初はサイバートラックをジョークのネタにされ、親指を上げられたり下げられたりした」とジャロジ氏は言う。「それから突然、中指を立てられたり怒鳴られたりするようになった。まるで私がこれを運転してトランプ集会に行ってきたとでも言わんばかりに」

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相が退陣表明、米関税で区切り 複数の後任候補

ワールド

石破首相が辞任表明、米大統領令「一つの区切り」 総

ワールド

インドは中国に奪われず、トランプ氏が発言修正

ワールド

26年G20サミット、トランプ氏の米ゴルフ場で開催
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給与は「最低賃金の3分の1」以下、未払いも
  • 3
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接近する「超巨大生物」の姿に恐怖と驚きの声「手を仕舞って!」
  • 4
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 5
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 6
    コスプレを生んだ日本と海外の文化相互作用
  • 7
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 8
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    「見せびらかし...」ベッカム長男夫妻、家族とのヨッ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中