最新記事
英語

オックスフォード大学「今年の流行語」は「brain rot(脳腐れ)」、その意味は?

'Brain Rot': Oxford University Press 2024 Word of the Year Revealed

2024年12月3日(火)19時11分
アミール・ダフタリ
ネット中毒のイメージ

あなたの脳は大丈夫? Paper Trident-Shutterstock

<英語の権威、オックスフォード大学出版が選んだ今年の言葉は「brain rot」。他にも有力な候補がいくつもあったなかでこの言葉が選ばれた理由は何か>

スマホの画面を延々とスクロールするうち「脳が腐っていく」ように感じたことがあるとしたら、それこそが、2024年の「オックスフォード・ワード・オブ・ザ・イヤー(今年の流行語)」に選ばれた「brain rot」(「脳腐れ」)の意味だ。

英オックスフォード大学出版局によると、この言葉の使用頻度は、前年比で230%増という驚異的な伸びを記録した。この言葉に対する現代社会の共感を反映した形だ。

オックスフォード大学出版局は、「brain rot」をこう定義する。「ある人物の精神、あるいは知性の状態が劣化したと思われる様子。特に、つまらない、あるいは頭を使わない(オンライン)コンテンツの過剰消費の結果とみなされるもの」

「brain rot」は、一般投票と専門家の分析を組み合わせた審査方法で選ばれ、他の候補に打ち勝った。他の候補には、「demure(控えめ)」「slop(AIが生成した劣悪なコンテンツ)」「dynamic pricing(ダイナミックプライシング(需要に応じて素早く価格を調整する仕組み)」「romantasy(ロマンタジー(ロマンスとファンタジーの要素を併せ持つ創作物)」「lore(アニメやゲームなどの設定)」だ。

「brain rot」という言葉は、表面的で頭を使わないコンテンツがネットではびこるなか、過剰なデジタル消費がいかに社会を不安にさせているかを象徴している。

がん検診
がんの早期発見を阻む「金額の壁」を取り払う──相互扶助の仕組みで「医療格差の是正」へ
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 8
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中