最新記事
内紛

ロシア軍とチェチェン軍の仲の悪さを露呈した怖い動画

Kadyrov's Troops Clash With Russian Soldiers in Occupied Melitopol: Video

2024年1月23日(火)17時22分
デービッド・ブレナン
チェチェン兵

ロシア軍のユニフォームでロシア兵として演習に参加するチェチェン兵(2015年4月22日)REUTERS/Muhammad Hamed

<公然の秘密だったロシア正規兵とチェチェン兵の犬猿の仲が明らかに>

ウクライナのロシア占領地域にいるロシア軍の士気の低下と規律の弛みが相次いで報道されるなか、ロシアとウクライナのソーシャルメディアでは、ロシア軍と、その友軍であるチェチェン人部隊とのあいだで起きたと見られる新たな衝突の動画が出まわっている。

【動画】チェチェン対ロシア、醜い喧嘩

ロシアの複数のミリブロガーやチェチェンのチャンネルで広くシェアされている問題の動画は、ロシアに占領され要塞化されたウクライナ南部の都市メリトポリの検問所で、ロシア正規軍とチェチェン人部隊が衝突した場面をとらえたものとされている。本誌はこの動画を独自に確認できず、ロシア国防省にメールでコメントを求めている。

 

この衝突には、チェチェン共和国の「特殊部隊アフマート」の司令官ヴァカ・カムブラトフが関わっていると伝えられており、検問所で止められた際に、怒ってロシア兵を攻撃したと告発されている。身元不明のロシア兵が、カムブラトフの見せた指示書に疑義を呈したあと、チェチェン兵たちとカムブラトフがそのロシア兵を殴り、銃で脅しているようだ。

ロシア兵の報復を求める声も

テレグラムのチャンネル「ビジョナリー」によれば、この小競り合いの動画は、ロシアでスキャンダルになりつつあるという。「ヴァカ・カムブラトフとその部下たちは、車列を止めた憲兵を、正当な理由なく殴っている」と同チャンネルは書いている。

一方、極端な国家主義を掲げるテレグラムチャンネル「Voenkor」は、この動画に怒りの投稿をしている。「これに反応せずにいるのは難しい」と書いている。「これは直接的な挑戦だ......これが本当に、ロシア世界の人々を守るはずの人間なのか?」

また、「サーティーンス」チャンネルは、 暴力による報復を求めるところにまで踏み込んでいる。

ロシア正規軍と、ラムザン・カディロフ率いるチェチェン人部隊とのあいだは、長らく緊張感系にあった。カディロフは、チェチェンにおける親ロシア派の有力者。ロシア政府は、ウラジーミル・プーチン大統領への忠誠と引き換えに、北コーカサスに位置するチェチェン共和国を、事実上の「藩王国」としてカディロフが支配することを認めている。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米航空管制システム刷新にRTXとIBM選定の可能性

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米株の底堅さ好感 個別物色が

ビジネス

中国CATL、5月に香港市場に上場へ=関係筋

ワールド

米上院、トランプ関税阻止決議案を否決 共和党の造反
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 3
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中