最新記事
中東

イエメンの親イラン武装組織フーシ派、紅海で貨物船を拿捕 日本郵船が運航

2023年11月20日(月)11時37分
ロイター
船舶追跡データに表示された貨物船の位置

船舶追跡データに表示された貨物船の位置 Reuters Japan / YouTube

イスラエル政府は19日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で貨物船を拿捕(だほ)したと明らかにした。船は英国の会社が所有し、日本企業が運航しているという。

イスラエルの首相府は、乗組員にイスラエル人はおらず、イスラエルは所有や運航に関与していないと説明した。

「これはイランのテロ行為であり、自由世界の市民に対するイランの好戦的な態度がエスカレートしていることを意味する」と批判した。

フーシ派は、イスラエル企業が所有・運航する船舶やイスラエル国旗を掲げる船舶を標的にする可能性があると述べていた。

フーシ派は声明で、紅海で船舶を拿捕したとし、イスラエルの船だと主張。「イスラムの原則と価値観に従って船の乗組員を扱っている」と説明した。

パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍とイスラム組織ハマスの10月の戦闘開始後、フーシ派はイスラエルに向けて長距離ミサイルやドローン(無人機)による攻撃を行っている。

松野博一官房長官は20日の閣議後会見で、日本郵船が運航する自動車運搬船が紅海でイエメンの親イラン武装組織フーシ派に拿捕されたことについて、断固非難するとしたうえで、関係国と連携し、船舶と船員の解放に取り組んでいると語った。

官房長官によると同船の船員に日本人は含まれていない。

現在、関係省庁が情報収集を進めているほか、イスラエルとも意思疎通を図り、当事者であるフーシ派への働きかけに加え、サウジアラビア、オマーン、イランなどの関係国に船舶・船員の早期釈放をフーシ派に強く求めるよう働きかけているという。

松野官房長官は「状況の推移を踏まえながら、政府として関係国と連携しつつ必要な対応を行う」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

キャリア
AI時代の転職こそ「人」の力を──テクノロジーと専門性を備えたLHHのコンサルティング
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

オープンAI、公益法人化でマイクロソフトと合意 評

ビジネス

米ADP、民間雇用報告の週次速報を開始 政府統計停

ビジネス

米CB消費者信頼感、10月は94.6に低下 雇用不

ワールド

米軍、太平洋側で「麻薬船」攻撃 14人殺害=国防長
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持と認知症リスク低下の可能性、英研究
  • 4
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 5
    「ランナーズハイ」から覚めたイスラエルが直面する…
  • 6
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 7
    「何これ?...」家の天井から生えてきた「奇妙な塊」…
  • 8
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 9
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 10
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中