最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナ軍、東部ハリコフで前進 撤退中のロシア兵の攻撃で停電発生か

2022年9月12日(月)09時18分
ロシアのミサイル攻撃の後に消火活動にあたるウクライナの消防士ら

ウクライナ軍当局者によると、同国軍は東部ハリコフ州でのロシア軍との戦闘でさらに北に前進したほか、南方や東方にも勢力を拡大しつつある。写真はハリコフで、ロシアのミサイル攻撃の後に消火活動にあたる消防士ら(2022年 ロイター/Press service of the State Emergency Service of Ukraine)

ウクライナ軍当局者によると、同国軍は東部ハリコフ州でのロシア軍との戦闘でさらに北に前進したほか、南方や東方にも勢力を拡大しつつある。10日にはウクライナ軍の攻勢を受け、同州の要衝イジューム周辺からロシア軍が撤退を余儀なくされた。

ウクライナ当局は、撤退するロシア兵がハリコフの火力発電所など民間インフラに報復攻撃を行い、大規模な停電を引き起こしたと非難した。

ゼレンスキー大統領によると、攻撃によりハリコフ州とドネツク州で全面的な停電、ザポロジエ州、ドニエプロペトロフスク州、スムイ州で部分的な停電が発生。

ゼレンスキー氏は「(攻撃の標的は)軍事施設ではなく、人々から電力を奪うことだ」とツイートした。

大統領府のティモシェンコ副長官は、火災が発生した発電所の画像をテレグラムに投稿。その上で一部地域では電力が復旧したと明らかにした。

ロシア国防省は10日、兵たん拠点として利用していたイジューム周辺の兵士に撤退を命じ、ドネツク州の他の作戦を強化するよう指示を出したことを明らかにした。

ロシア軍にとっては今年3月に首都キーウ(キエフ)から退却を迫られて以降、最大の痛手となる。

ウクライナ軍のザルジニー総司令官は今月初め以降に3000平方キロメートル超の領土を奪還したと述べた。

ゼレンスキー氏は、ウクライナ軍が前進を続けるだろうと述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、来年の消費財下取りに89億ドル割り当て スマ

ビジネス

中国、26年投資計画発表 420億ドル規模の「二大

ビジネス

中国製造業PMI、12月は9カ月ぶり節目回復 非製

ワールド

台湾は警戒態勢維持、中国船は撤収 前日まで大規模演
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中