最新記事

オリガルヒ

ロシア富豪たちの「国外脱出」が始まった...自家用ジェット追跡データで明らかに

Exodus of Private Jets Out of Russia As Putin Calls for 'Self-Purification'

2022年3月18日(金)11時49分
クロエ・メイヤー
プライベートジェット

プライベートジェットが次々にドバイに向かったという(写真はイメージ) Dragunov1981-iStock

<プライベートジェットの追跡データによれば、モスクワからドバイへのフライトが急増しているという。背景には、プーチンによるオリガルヒ批判があると見られる>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は3月16日のテレビ演説で、豊富な資産を背景に「西洋化」された暮らしをするオリガルヒを非難する発言を行った。これを受けて、翌日には複数のプライベートジェットがロシアから国外に向けて飛び立ったことが、追跡データから明らかになった。

プーチンは演説で、「(アメリカの)マイアミやフランスのリヴィエラに別荘を持つ人々、またはオイスターやフォアグラや『ジェンダーの自由』がなければ生きていけない人々」に向けて、「問題は彼らの精神がここロシアに、ロシア人と共にあるのではなく、あちら側にあることだ」と警告した。

またプーチンは、西側はロシア内の裏切り者を利用してロシア社会を分断しようとしており、「ロシアの破壊を狙っている」と主張。その試みに対抗するため、国民に「自浄」を呼びかけた。

これに対し、著名なジャーナリスト・歴史家であるアン・アプルボームは、「自浄の呼びかけはスターリン時代の『粛清』を思い起こさせる」と非難。かつての暗い記憶を思い起こさせることで、人々の手足を縛ろうとしているとした。

プライベートジェットのエクソダス

そして翌17日、アナリストのオリバー・アレクサンダーは、ロシアから複数のプライベートジェットが離陸したことを発見し、これらの追跡データをツイッター上に公開。「今朝もまたモスクワからドバイへ向かうプライベートジェットの大規模なエクソダスが」とコメントした。

これまでにもアレクサンダーは、「みんなモスクワからウラル山脈に遠足に出かけているようだ」「飛行機に、実際には誰が搭乗しているかは分からないが」「モスクワから北ウラル山脈やシベリアに向かう、ロシア連邦上空における活動が激しくなっている」といった情報を投稿してきた。

こうした動きが意味していることについて、一部の人は核攻撃からの避難だと考えている。だが、オリガルヒたちは彼らが忠誠を誓うプーチンから「報復」されるのを恐れて安全な場所に逃げ出している、という意見もある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ビジネス

エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金

ワールド

焦点:「氷雪経済」の成功例追え、中国がサービス投資

ワールド

焦点:米中間選挙へ、民主党がキリスト教保守層にもア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 2
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 7
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中