最新記事

CM

「ワクチンパスポートを見せるサンタ」が登場するクリスマスCMに1500件の苦情

2021年11月17日(水)12時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
テスコ クリスマスCM

Tesco-YouTube

<CMを流した英国最大のスーパーマーケットに対して、ソーシャルメディア上では不買運動が展開されている>

クイーンの「Don't Stop Me Now」をBGMにした英テスコ社のクリスマスCMに批判が殺到している。なぜか? 新型コロナウイルスのワクチンパスポートを持ったサンタクロースが登場するからだ。

90秒のCMの中盤、「サンタクロースが今年のクリスマスに隔離される可能性がある」というニュース速報のバナーが表示される。

子供たちにプレゼントを届けるためにトナカイを連れてやってきたサンタは、空港で入国審査官に対してQRコードの表示されたスマートフォンを提示する。ワクチン接種済みであることを証明するパスポートだ。次の瞬間、見守っていた観衆は一斉に歓声を上げ、自宅のソファでプレゼントを待つ少女はガッツポーズをする。

世界中で、特にワクチン反対派の間では、ナイトクラブやレストランなど特定の場所に入るための必須条件となっているワクチンパスポートに反対する声が上がっている。

ボイコットキャンペーンも発生

英国広告基準局(ASA)は、このCMについて1500件以上の苦情を受けたと発表。

「苦情のほとんどは、このCMが強制的であり、ワクチン接種の有無による医療上の差別を助長すると主張したものだった」

ASAのスポークスマンはガーディアン紙に対し、「我々は現在、これらの苦情を慎重に吟味し、措置を講じる必要があるかを審議している」と述べた。

テスコのCMはソーシャルメディア上で怒りを巻き起こし、反ワクチン派の多くが英国最大のスーパーマーケットの利用をボイコットすると脅している。週末には#BoycottTescoキャンペーンまで展開された。

反ワクチンの運動家たちは、すぐにネット上で落胆を表明。

「受け入れがたい卑劣さだ」

「もう二度とテスコで買い物をしない」

ジリアン・マッキースは、「経営陣の誰がこれを良いアイデアだと思ったの? もしテスコをボイコットしないなら、あなたも共犯」とツイート。

11月17日現在、ユーチューブに投稿されたCM動画には約3100の高評価に対し、2.8万以上の低評価が付けられている。

反ワクチン運動の勢いは止まりそうにない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:中国メーカーが欧州向けハイブリッド車輸出

ビジネス

アングル:コーヒー豆高騰の理由、カフェの値段にどう

ワールド

シリア反政府勢力、ホムス郊外の「最後の村を解放」と

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の病院に突入 一部医療職員を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 4
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 5
    水面には「膨れ上がった腹」...自身の倍はあろう「超…
  • 6
    「際どすぎる姿」でホテルの窓際に...日本満喫のエミ…
  • 7
    まさに「棚ぼた」の中国...韓国「戒厳令」がもたらし…
  • 8
    健康を保つための「食べ物」や「食べ方」はあります…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    「もう遅いなんてない」91歳トライアスロン・レジェ…
  • 1
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 2
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 3
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社員にはなりにくい」中年自衛官に待ち受ける厳しい現実
  • 4
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 5
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 6
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 7
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 8
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 9
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 10
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 9
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 10
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中