最新記事

中東

イラク軍、米制裁対象の元イラン系民兵組織メンバーを幹部に起用へ

2020年11月27日(金)10時25分

複数の関係筋によると、イラク軍は米国の制裁対象となっているイラン系民兵組織の元メンバーをイラク軍の幹部として養成するため、エジプトに派遣した。 写真は10月、バグダッドで行われたれた抗議デモで、イラン革命防衛隊を指揮したソレイマニ司令官イラク武装組織のアブ・マフディ・アル・ムハンディス司令官のポスターを掲げる男性(2020年 ロイター/ Thaier Al-Sudani)

複数の関係筋によると、イラク軍は米国の制裁対象となっているイラン系民兵組織の元メンバーをイラク軍の幹部として養成するため、エジプトに派遣した。

イラク国内のイラン系民兵組織の力をそぐことが狙い。イラクのムスタファ・カディミ首相が連携する米政府も、中東でのイランの影響力低下を目指しているが、イラク軍が米国の制裁対象となっている人物を軍幹部として養成するのは異例だ。

エジプトに派遣されたのは、イラクの民兵組織の連合体「人民動員隊(PMF)」で治安部門を指揮するアブー・ザイナブ・アル・ラミ氏。1年間にわたってエジプトで訓練を受ける。

同氏は、イランの支援を受ける民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」の元メンバー。反政府デモの参加者を殺害したとして米国の制裁対象となっているが、同氏は殺害への関与を否定している。

人権侵害の疑惑があるイランに近い人物をイラク軍幹部に登用することについては、リスクが高いとの批判が一部で出ているが、カディミ首相は、イラン系の強硬派の一部をイラク軍に取り込み、政権の安定を図りたい意向とみられる。

PMFは建前上は国の軍事組織の一部だが、傘下の有力戦闘団はイランから支援を受けており、こうした現状を変えることがカディミ首相の狙いとみられている。

イラク、イラン両政府のコメントはとれていない。米国務省はコメントを控えている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・アメリカ大統領選挙、敗残のトランプを待ち構える訴訟の山 検察による刑事捜査も
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、最優遇貸出金利据え置き 10カ月連続

ビジネス

エネ価格高騰、長期化ならインフレ加速・成長鈍化リス

ワールド

トランプ氏、イスラエルにガス田攻撃停止を要請 地上

ワールド

日米、重要鉱物の供給網強化に行動計画 価格下限の導
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中