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英製薬大手アストラゼネカ、新型コロナワクチン供給で欧州と合意 最大4億回分

2020年6月15日(月)09時24分

英製薬アストラゼネカは6月13日、オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスのワクチン候補について、フランス、ドイツ、イタリア、オランダで形成される欧州の「ワクチン同盟」に最大4億回分を供給することで合意したと発表した。2019年4月8日、米ニューヨーク証取で撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

英製薬アストラゼネカは13日、オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスのワクチン候補について、フランス、ドイツ、イタリア、オランダで形成される欧州の「ワクチン同盟」に最大4億回分を供給することで合意したと発表した。

同社はワクチンの生産拡大を目指す方針で、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が起きている間、利益なしで供給するとしている。

ワクチンはまだ治験段階にあるが、安全性と有効性が確認されれば、2020年末までに納入が開始される見通し。

欧州4カ国は、可能な限り早期にワクチンを確保する目的で同盟を形成。今回が初の契約となる。

アストラゼネカのパスカル・ソリオット最高経営責任者(CEO)は、記者団に対し「これにより、欧州で数億人がこのワクチンを利用できるようになる。有効であることが前提になるが、それは夏の終わりまでに分かるだろう」とし、初期のデータに基づき、ワクチンの有効性が確認されることに期待を示した。

また「(同盟は)欧州の全ての人がワクチンを利用できるよう、欧州委員会および他の欧州諸国と協力する」と述べた。

ワクチンは全ての欧州連合(EU)加盟国が対象となる。イタリア保健省の関係筋によると、同盟を組んだ4カ国が資金を負担する。金額は明らかになっていない。また同盟には他国も同条件の下で参加することが可能という。

ソリオットCEOによると、中国、ブラジル、日本、ロシアも同社のワクチンに関心を示している。

同CEOは、英医療製品規制庁(MHRA)がワクチンの第3段階の治験開始を承認したことも明らかにした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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