最新記事

日本経済

前場の日経平均は大幅続落1003円安 トランプの入国禁止演説に失望

2020年3月12日(木)12時15分

前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比1003円82銭安の1万8412円24銭となり、大幅に続落した。写真は2013年12月、都内の株価ボード(2020年 ロイター/Toru Hanai)

前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比1003円82銭安の1万8412円24銭となり、大幅に続落した。

新型コロナウイルスの感染がパンデミック(世界的な大流行)の段階に進んだことが投資家心理を圧迫する中、取引時間中に行われたトランプ米大統領の演説が失望を誘った。時間外取引で米国株先物が軟化。為替の円高進行もにらみながら日経平均は1000円超に下げ幅を拡大した。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が11日、新型コロナ感染拡大がパンデミックに相当すると表明。オーバーナイトの米国株市場でダウ平均は1460ドル超下げ、2008年の金融危機以来初めて弱気相場入りした。

これらを受け、日経平均は前営業日比351円55銭安で続落スタート。その後、安値圏でしばらくもみあっていたが、トランプ米大統領が日本時間午前10時頃から始めた演説で、欧州からの米国への入国を向こう30日間全面的に停止すると発表。新型コロナに対する景気対策で具体策が示されなかったことも嫌気され、一気に下げの勢いが強まった。

市場からは「欧州からの入国制限もサプライズだったが、給与税減税の話がほとんど出ず、景気対策として具体策に乏しかったことが市場の失望を誘った」(第一生命経済研究所の主任エコノミスト、藤代宏一氏)との声が出ていた。

TOPIXは4.78%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆7347億円だった。東証33業種では、すべて大きく値下がり。海運、不動産、精密機器、金属製品、鉱業、サービス業などが値下がり率上位となった。

東証1部の騰落数は、値上がりが26銘柄に対し、値下がりが2133銘柄、変わらずが6銘柄だった。

[東京 12日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・豪でトイレットペーパーめぐって乱闘 英・独のスーパーは個数制限で買い占め防止
・スペイン、首都マドリードで新型コロナウイルス患者急増 保健当局「医療対応に限界」


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英インフレ上振れも、想定より金利高く維持する可能性

ビジネス

ソフトバンクG、1―3月期純利益5171億円 通期

ビジネス

独ZEW景気期待指数、5月はプラス転換 予想も上回

ビジネス

ホンダ社長、日産との統合協議再開「当分もうない」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 7
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中