最新記事

新型ウイルス

中国、新型コロナウイルス死者200人突破・感染者9692人に 米国は渡航警戒レベル引き上げ

2020年1月31日(金)13時15分

武漢市は事実上封鎖状態

新型コロナウイルスは昨年12月、野生動物が違法に取り引きされていた海鮮市場から発生したとみられている。

武漢市がある湖北省では約6000万人が事実上隔離された状態となっている。

湖北省の衛生当局によると、同省では30日時点で新たに1220人の感染が確認され、同省だけで感染者数は6000人近くに上っている。

国外でも日々、新たな感染が報告されており、渡航制限や、反中国感情の広がり、感染予防用マスクの需要急増などにつながっている。

医療専門家は、国外で人から人への感染が増えている状況について、ウイルス感染がさらに拡大する可能性が高まっていることを示すと指摘している。

中国のデータによると、感染患者のうち死亡したのはわずか2%超で、今回のウイルスは、2002─03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こしたウイルスほど毒性は強くない可能性がある。

ただエコノミストは、世界経済への中国の影響力が強まっていることから、SARSの時よりも影響が大きくなるリスクを警戒している。SARSでは約800人が死亡、世界経済は330億ドルの打撃を受けたとみられている。

中国では渡航制限のため、来週の春節(旧正月)休暇明けに数千人の工場労働者の職場復帰に支障が出る可能性があるほか、米グーグルやスウェーデン家具大手イケアなどの主要企業が事業停止している。

工業地帯が広がる山東、黒竜江を含む4つの省は2月10日まで事業を再開しないよう企業に要請している。

*内容を追加しました。

[上海 31日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200204issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月4日号(1月28日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【中国人編】」特集。声優/和菓子職人/民宿女将/インフルエンサー/茶道家......。日本のカルチャーに惚れ込んだ中国人たちの知られざる物語から、日本と中国を見つめ直す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアが原子力魚雷「ポセイドン」の実験成功 プーチ

ワールド

Azureとマイクロソフト365の障害、徐々に復旧

ビジネス

米中古住宅仮契約指数、9月は横ばい 金利低下も雇用

ビジネス

カナダ中銀、0.25%追加利下げ 総裁「見通しに変
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 6
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 7
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    怒れるトランプが息の根を止めようとしている、プー…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中