最新記事

LGBT

同性愛支持のコカ・コーラ広告がハンガリーで大論争に

2019年10月24日(木)13時00分
ジェフリー・マーティン

ブダペストに貼られたポスターには落書きが LASZLO BALOGH/GETTY IMAGES

<当局はコカ・コーラの広告に罰金を科し、政権与党は製品ボイコットを煽動。これに著名文化人はSNSで対抗>

男性同士、女性同士のカップルが見つめ合ったりキスしたり──清涼飲料大手コカ・コーラがハンガリーで展開した広告が大論争を呼んでいる。

このポスターは、首都ブダペストで毎年夏に開催される音楽フェスに合わせた広告キャンペーン「#loveislove(愛は愛)」の一環。「糖分ゼロ、偏見ゼロ」のキャッチコピーも添えられている。

だがこれにLGBTQに批判的な保守層が猛反発。ハンガリー当局は「子供と青少年の身体的、心理的、道徳的発達を妨げかねない」広告を禁じる法律に違反しているとして、同社に50万フォリント(約18万2700円)の罰金を科した。

オルバン首相率いる与党・フィデス・ハンガリー市民連盟の国会議員は、同社製品のボイコットを呼び掛けた。これに対し、著名文化人がコーラを飲む自身の写真をSNSに投稿するなど議論が白熱。コカ・コーラ社は「同性愛者も異性愛者も人を愛する権利があると確信している」と訴え、現在はレインボーカラーのボトルの写真を使った広告を展開している。

<本誌2019年10月29日号掲載>

【参考記事】同性愛を公言、ヌードも披露 女子サッカー米代表のミーガン・ラピノー
【参考記事】同性愛への寛容度でわかる日本の世代間分裂

20191029issue_cover200.jpg
※10月23日発売号は「躍進のラグビー」特集。世界が称賛した日本の大躍進が証明する、遅れてきた人気スポーツの歴史的転換点。グローバル化を迎えたラグビーの未来と課題、そして日本の快進撃の陰の立役者は――。


ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ルーマニア大統領選、極右候補が決選投票へ 欧州懐疑

ワールド

イスラエル、ガザ攻撃拡大へ 治安閣議で承認=報道

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官の後任にミラー次席

ビジネス

TikTok売却期限再び延長も、合意なければとトラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1位はアメリカ、2位は意外にも
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 5
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 6
    「2025年7月5日天体衝突説」拡散で意識に変化? JAX…
  • 7
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 8
    「すごく変な臭い」「顔がある」道端で発見した「謎…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    「愛される人物」役で、母メグ・ライアン譲りの才能…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 9
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中