最新記事

宇宙実験室

中国の天宮1号が大気圏に再突入、いよいよ迫る!? 日本北部も注意ゾーンに

2018年3月8日(木)18時00分
松岡由希子

「天宮1号」のイメージ image:CMSA

<中国の軌道上実験モジュール「天宮1号」が、3月27日から4月10日までの間に、大気圏に再突入するとの最新予測が明らかに>

2016年3月以降、制御不能のまま宇宙空間を彷徨い続けている中国の軌道上実験モジュール「天宮1号」が地球と衝突する可能性については、これまでも幾度となく報じられてきた。そして、いよいよ、その"Xデー"が近づこうとしている。

3月27日から4月10日までの間に再突入

連邦研究開発センター(FFRDC)を運営するアメリカのエアロスペース・コーポレーションは、「2018年4月3日から前後1週間、すなわち、3月27日から4月10日までの間に、天宮1号が大気圏に再突入する」との最新予測を明らかにした。欧州宇宙機関(ESA)でも、3月29日から4月9日までのいずれかと予測しており、エアロスペース・コーポレーションの予測とほぼ一致している。

はやぶさの大気圏再突入の様子


天宮1号が大気圏に再突入した場合、その大部分は燃え尽きるとみられるものの、機体の破片が地表に到達する可能性が指摘されてきた。

北海道南部から東北地方は、破片が落下する可能性が高いゾーン

エアロスペース・コーポレーションの最新予測によると、破片が落下する可能性のあるゾーンは、赤道を中心とする北緯42.7度から南緯42.7度までのエリアで、日本では、北緯42.7度にあたる北海道幕別町駒畠より南の地域がすべてこのゾーンに含まれている。とりわけ、北海道の南部から東北地方までのエリアは、破片が落下する可能性が高いゾーンに分類されていることにも留意すべきだろう。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中