最新記事

カタルーニャ

スペイン検察、独立宣言の前カタルーニャ州首相起訴 直接統治に混乱なく

2017年10月31日(火)09時13分

10月30日、スペインの検察は、カタルーニャ自治州の独立運動を主導し、同州首相を解任されたプチデモン氏(写真)を国家反逆罪や扇動罪などで起訴した。9月撮影(2017年 ロイター/Albert Gea/File Photo)

スペインの検察は30日、カタルーニャ自治州の独立運動を主導し、同州首相を解任されたプチデモン氏を国家反逆罪や扇動罪などで起訴した。検察はカタルーニャ州政府幹部について、スぺインからの独立を巡り違法な住民投票を実施したとして、国家反逆、扇動、詐欺、資金流用の罪を主張している。

カタルーニャ州の独立問題は10月1日に住民投票が強行されたことで、過去数十年で最大の危機に発展。カタルーニャ州議会は27日、独立に関する動議を可決し、スペインからの独立を宣言。その後、上院からカタルーニャ州の直接統治権を承認された中央政府のラホイ首相は、同州政府の閣僚を解任し、議会を解散、さらに12月21日に州議会選挙を実施すると発表した。

プチデモン氏は28日、中央政府の直接統治に対する「民主的な抵抗」を呼びかけ、カタルーニャ州が直接統治を受け入れるかどうかが注目されたが、週明け30日に市民は普段通り職場に向かい、目立った抗議活動は起きていない。

プチデモン氏らカタルーニャ州の指導者は自治権停止を認めない考えを示していたが、同氏が所属する独立支持派の2政党は30日、12月の州議会選挙に参加する方針を明らかにし、中央政府による直接統治を事実上受け入れた。

現地メディアによると、プチデモン氏は解任された州政府幹部ら5人とともにベルギーに渡ったもよう。

人権団体に関わっているというベルギーの弁護士、ポール・ベカート氏はロイターに対し、プチデモン氏の代理人となったことを明らかにした。ベルギーに滞在中のプチデモン氏の政治亡命を支援しているかどうかについては明言しなかった。

[バルセロナ/マドリード 30日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏の8日の電話会談、「非常

ワールド

ウクライナに「重大な空爆の可能性」、米大使館が警告

ビジネス

エア・カナダ、米路線の予約が10%超減少 貿易摩擦

ワールド

米・イラン、11日に第4回核協議 オマーンで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中