最新記事

薬物

トランプ「国家の恥」オピオイド乱用に衛生非常事態を宣言

2017年10月27日(金)12時25分

10月26日、トランプ米大統領は、医療用鎮痛剤「オピオイド」の乱用に関する「全国的な公衆衛生の非常事態」を宣言した。写真はフィラデルフィアでヘロイン摂取などに使われた注射針(2017年 ロイター/Charles Mostoller)

トランプ米大統領は26日、医療用鎮痛剤「オピオイド」の乱用に関する「全国的な公衆衛生の非常事態」を宣言した。大統領が数カ月前に約束していた、問題解決のために新規の連邦予算獲得が可能となる「国家非常事態」の宣言は見送られた。

政府高官は記者団に、公衆衛生の非常事態宣言によって連邦資源の再配分を指示したり、規制緩和を実施することで、オピオイド乱用に対応できると説明した。

民主党議員などからは、追加的な予算が付かないこうした宣言は意味がないとの批判が出ている。また対策推進団体や専門家も、踏み込み不足だと指摘した。

共和党議員は、今回の大統領の宣言について、危機に立ち向かうための重要なステップだと評価した。

「この(オピオイド乱用の)まん延は、国の公衆衛生における非常事態だ。米国人として、これが続くことを許すわけにいかない」と、共和党のトランプ大統領はホワイトハウスで語った。

トランプ大統領はオピオイド乱用問題を「国家の恥」であり、「人間の悲劇」と呼んだ。大統領夫人として、この問題を最重要課題の1つと位置づけるメラニア夫人も、「誰にも起こり得ることだ」と述べた。

トランプ大統領はまた、亡くなった自身の兄フレッド・トランプ氏がアルコール依存症に苦しんだ経験を引き合いに出した。兄のアドバイスに影響を受けた大統領は、アルコールを口にしないことで知られる。

米疾病予防管理センター(CDC)によると、オピオイド乱用で2015年には3万3000人強が亡くなっており、死亡者は増え続けている。まん延する薬物過剰摂取の対策を講じるためには、今回の宣言では不十分だとの失望を表明した関係者や専門家もいた。

主に処方鎮痛薬として使われるオピオイドのほか、ヘロインやモルヒネの50─100倍強力だとされるフェンタニルの乱用による過剰摂取が増加している。CDCによると、米国では1日100人以上がこれに関連した過剰摂取で死亡している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国首相、フォーラムで一段の経済開放約束 日本企業

ワールド

G7、エネ供給支援へ必要な措置講じる用意 外相声明

ワールド

トランプ氏、米空港にICE捜査官派遣と警告 予算巡

ワールド

トランプ氏、イランに48時間以内のホルムズ開放求め
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記者に、イスラエル機がミサイル発射(レバノン)
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 7
    人気セレブの「問題ビデオ」拡散を受け、出演する米…
  • 8
    「筋力の正体」は筋肉ではない...ストロングマンが語…
  • 9
    トランプ政権の「大本営」、イラン戦争を批判的に報…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 9
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中