最新記事

アメリカ経済

ユナイテッドの最大株主バフェット「乗客排除問題の対処で失敗」

2017年5月9日(火)08時50分

5月8日、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏(写真)は、ユナイテッド航空が4月に発生した乗客引きずり降ろし問題への対処で「大変な失敗」をしたとの考えを示した。ネブラスカ州で6日撮影(2017年 ロイター/Rick Wilking)

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は8日、ユナイテッド航空が4月に発生した乗客引きずり降ろし問題への対処で「大変な失敗」をしたとの考えを示した。

ユナイテッド航空は4月初旬、オーバーブッキング(過剰予約)が発生した際、乗客を機内から引きずり下ろし、鼻の骨を折るなどのけがを負わせた。ムニョス最高経営責任者(CEO)が当初、同社の乗務員を擁護する姿勢を鮮明にしたことで、世界的な批判が広がり、同CEOは後に米議会の公聴会で証言する事態に発展した。

バフェット氏はCNBCに対し「明らかに大変な過ちだった」と言明。ムニョスCEOはその後「繰り返し謝罪したが、初めの対処が注目されるからだ」と語った。

バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイはユナイテッド航空の親会社ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスの最大の株主。そのほか、アメリカン航空グループ、デルタ航空、サウスウエスト航空の主要株主でもある。

バフェット氏は、航空業界の効率化が一段と進んでいると確信しており、それが航空業界への投資の背景にあると説明。極めて高い比率の利用者が安価のフライトを望んでおり、今回の乗客引きずり降ろし問題によってこうした状況が変わることはないとした。

同時に、満席状態の機内の狭い座席に詰め込まれ、乗客にとっては空の旅は快適なものではなくなってきたとの考えも示し、「航空会社の運営という仕事はしたくない」と語った。

バフェット氏はまた、金利が10-20年にわたり低水準にとどまることを想定すれば、株価は「格安」のようにみえると指摘。「この水準で株よりも30年債を購入することは馬鹿げているというのが私の考えだ」とし、「株式に比べ、債券はひどい選択肢だ」と語った。

3月末時点のバークシャーが保有する現金、現金同等物、債券は960億ドル超。

トランプ米大統領については、米経済に大きな効果をもたらしているとは考えていないと述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、もみ合い後5万円回復 米

ビジネス

デルタ航空、政府機関閉鎖の減便が2億ドルの減益要因

ワールド

不法移民取り締まり、ニューオーリンズでも開始 国土

ワールド

ウクライナ協議、次の展開不透明とトランプ氏 米ロ会
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中