最新記事

暗殺事件

金正男の長男ハンソル名乗る動画 身柄保全にオランダが関与か

2017年3月9日(木)12時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Cheollima Civil DefenseのWebサイトには「緊急時に(金正男の)家族の人道的避難を支援したオランダ政府、中国政府、米国政府、そして匿名の政府に感謝します。(中略)突然の支援を求められたとき、私たちに迅速で力強い支援をくださった韓国駐在オランダ大使エンブレヒツ様に特に感謝いたします」と書かれており、金正男暗殺事件後、行方が分からなくなっているキム・ハンソルらの身柄を守るため、オランダなど各国が尽力したことをうかがわせている。

このエンブレヒツ大使は、1993〜97年駐韓オランダ大使館で商務課長として勤務。2015年2月からはソウル駐在のオランダ大使として2度目の赴任をしており、去る7日にはソウルで開催されたワールドベースボールクラシック韓国対オランダ戦の始球式を務めている。またプライベートでは韓国人女性と結婚しており、知韓派として知られる人物だ。オランダの場合は韓国と北朝鮮双方の大使館を兼務させており、エンブレヒツ大使もソウルと平壌を行き来しているという。また2005〜2009年にはマレーシア大使も務めたことがある。

ソウルのオランダ大使館には各国メディアが詰めかけて、事実関係を問い合わせしているが、朝鮮日報によれば大使館は「大使は外部日程を消化している」とだけ回答し、今回のキム・ハンソルの身柄確保については答えなかったという。

金正男暗殺事件をめぐり、マレーシアと北朝鮮の対立が激化し、事件は迷宮入りの可能性が高まったが、キム・ハンソルら家族の身柄が確保されているとすれば、遺体の身元確認など、事件解決に向けた新しい展開が開ける可能性も出てきたといえる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、欧州諸国の「破壊的アプローチ」巡りEUに警

ビジネス

英製薬アストラゼネカ、米国への上場移転を検討=英紙

ワールド

米EV推進団体、税額控除維持を下院に要請 上院の法

ビジネス

マネタリーベース6月は前年比3.5%減、10カ月連
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 9
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中