最新記事

韓国

朴大統領、検察聴取に応じぬまま国政に復帰 今日再び大規模デモ

2016年11月19日(土)00時59分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

再びソウルは朴槿惠退陣を求めるロウソクの明かりに埋め尽くされるのか? 写真は12日の光化門前広場での朴槿惠退陣を求めるデモ YTN Newsより (c) YTN / Youtube

<韓国の朴槿惠大統領とその友人チェ・スンシルによる国政介入疑惑は、先週末のソウルでの大規模デモの後、今週検察による現職大統領への取り調べで急展開するかに見えたが、一転して検察と大統領府の綱引きが続き、膠着状態に陥った。こうしたなか、週末には保守派と急進派それぞれが大規模なデモを予定している>

 先週土曜日に、ソウル市中心部の光化門前広場を朴大統領退陣を求める大規模デモが埋め尽くしたとき、韓国国民の多くはこれで何かが変わると信じたことだろう。事実、翌日曜日には検察が憲政史上初の現職大統領への取り調べを週明けには行うと発表、事態は大きく動き出すかに見えた。しかし、今週この流れは一転してよどんだ停滞ムードに変わってしまった。朴大統領は、長期戦になることを覚悟したもようで、NEWSISなど韓国メディアは「キャンドルに目を閉じた朴大統領」と報じている。

参考記事:[動画]韓国100万人の退陣コール 朴槿惠大統領、週明けに検察が聴取へ

 朴大統領は18日午後、大統領府で新任の大使5人と大統領府の新任人事で10人に任命状を授与して公式行事を再開した。 朴大統領が公式行事を持つのは、10日の韓国・カザフスタン首脳会談以来8日ぶり。 大統領府は来週22日の閣議を1カ月半ぶりに朴大統領が主宰することも検討しており、内政復帰のサインにする見通しだ。

 さらに、朴大統領が来月東京で開かれる予定の日中韓3カ国首脳会議に出席することもほぼ決定した様子だ。日中韓首脳会議は2008年に初めて開かれて3カ国が交互に開催しており、昨年11月ソウルで第6回会議が開かれた。 今年は、国政介入疑惑の影響で朴大統領が内政に専念する場合、開催が不透明だという観測があがっていた。 朴大統領は、トランプ政権移行チームと次期米政府関係者の参加が予想されている政府高位実務代表団も米国に派遣した。野党の「国政に対するすべての権限を国会が推薦する首相に委譲せよ」という主張に対して、朴大統領が内政、外政の両方で主導権を手放さない態度を見せたもの、と受けとめられている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相会議、ウクライナ問題協議へ ボレル氏「EU

ワールド

名門ケネディ家の多数がバイデン氏支持表明へ、無所属

ビジネス

中国人民銀には追加策の余地、弱い信用需要に対処必要

ビジネス

テスラ、ドイツで派遣社員300人の契約終了 再雇用
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中