最新記事

フィリピン

比財務相「日本の納税者に感謝、中小企業を歓迎」

2016年10月27日(木)16時37分

10月27日、フィリピンのカルロス・ドミンゲス財務相は、ロイターのインタビューで、日本からの投資や経済援助について「日本政府というよりも、納税者に感謝する。開発援助の資金は無駄にしない。双方に恩恵となり、正しく使われるようにしたい」と話した。写真は26日、都内で開かれたフィリピン経済フォーラムで撮影(2016年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 フィリピンのカルロス・ドミンゲス財務相は27日、ロイターのインタビューで、日本からの投資や経済援助について「日本政府というよりも、納税者に感謝する。開発援助の資金は無駄にしない。双方に恩恵となり、正しく使われるようにしたい」と話した。

 また、大企業より中小企業の進出に期待し、日本の自動車部品や電子機器の工場を誘致したいと語る。故郷ダバオには日本人コミュニティーがあったことから、親日家であることも強調した。

 同相は、アジア地域との経済的連携を強めたいという。「ASEAN(東南アジア諸国連合)には6億人の人口を抱えるマーケットがあり成長を続けている。中国でも13億人の経済が成長している。日本は長年の友好国だし韓国は良いパートナー。もっと統合を進めるべき」と述べた。欧州連合(EU)やNAFTA(北米自由貿易協定)のような統合モデルが考えられるとした。

 ドゥテルテ大統領とは幼なじみで、大統領との関係を「竹馬の友」と日本語で表現する。大統領の子ども時代については「いたずらっ子だった」が、クラスの人気者だったかとの質問には「ノー。彼は普通の少年だった」と話す。

 大統領の過激な言動については、目標を達成することに集中しており「それを妨げようとする人に対して激しく攻撃する」と説明した。反米的な発言についても「全ては(大統領)選挙の中で始まった。米国大使が選挙に介入し、ドゥテルテ氏を批判して他の候補者を応援したからだ」と語った。とはいえ、大統領の発言はあくまで政治的なものであり、米国の投資や米企業とのビジネスは「もちろん歓迎している」とした。

(宮崎亜巳、エレイン・リーズ)

[東京 27日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、英軍施設への反撃警告 ウクライナ支援巡る英

ワールド

中国主席に「均衡の取れた貿易」要求、仏大統領と欧州

ワールド

独、駐ロ大使を一時帰国 ロシアによるサイバー攻撃疑

ワールド

ブラジル南部豪雨、80人超死亡・100人超不明 避
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中