最新記事

デジタルマネー

中央銀行副総裁が明かす、中国の独自仮想通貨計画のシナリオ 

2016年9月28日(水)16時50分
コインポータル

Jason Lee-REUTERS

 中国の中央銀行である中国人民銀行の副総裁、範 一飛氏が、同行主管の各月誌「中国金融」の特集の中で中央銀行が検討している独自の仮想通貨作成について発言し、この"法定"仮想通貨の方向性や原型構想、技術的な選択、法律的な依拠、貨幣政策への影響などについて言及している。

 中国人民銀行では今年1月20日、同行が独自の仮想通貨作成の構想について前向きであるという姿勢を北京で行われたデジタル通貨検討会で明らかにしていた。

「"法定デジタル通貨"発行が決まれば、柔軟に対応する」

 今回「中国金融」誌面では「中国の法定デジタル通貨の理論ベースと構造選択」というタイトルの文章が掲載され、その中で範副総裁は、「中央銀行は金融体系の安定を維持するという基本的な機能を果たすべく、また時流にそった金融刷新を促すべく、技術要素を十分に考慮しながら、"法定デジタル通貨"の発行・流通と、また"法定ではないデジタル通貨"とを有効的に監督していきたいと考えている」と述べた。

 また、"法定デジタル通貨"を発行した場合の金融体系への影響の分析は進んでおり、中央銀行は必要となる場合には積極的かつ時機を逃さずに法制度の整備を行い、"法定デジタル通貨"の金融体系に与える影響を最大限にするべく、またマイナスの影響は最少となるべく動くことを強調した。

中央銀行―商業銀行のル―トで流通させることを想定

 文章中では、この"法定デジタル通貨"の運用方法について「中央銀行が直接公衆に向けて発行する方法」と、現在紙幣などで行われている「中央銀行―商業銀行の二階層で発行する方法」の二つを挙げ、現状では「中央銀行―商業銀行」の方式に傾いているとする。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハマス、カイロに代表団派遣 ガザ停戦巡り4日にCI

ワールド

フランスでもガザ反戦デモ拡大、警察が校舎占拠の学生

ビジネス

NY外為市場=ドル/円3週間ぶり安値、米雇用統計受

ビジネス

米国株式市場=急上昇、利下げ観測の強まりで アップ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 8

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中