最新記事

米大統領選

トランプの選挙戦もこれで終わる?「オバマはISISの創設者」

2016年8月12日(金)17時01分
ジャック・ムーア

Eric Thayer-REUTERS

<戦没者遺族に噛み付いて以来、支持率は下がり、党内の造反者は急増するなか、トランプがまた耳を疑うことを言い出した。ISISを作ったのがオバマとクリントンだというのだ。遂に追い詰められたのだろうか>

 米共和党の大統領候補ドナルド・トランプの暴言が止まらない。今週は2日連続で、バラク・オバマ米大統領がテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)の「創設者」だと発言した。民主党の大統領候補ヒラリー・クリントンも同罪だという。

 10日にフロリダ州サンライズで開かれた集会でトランプはこう語った。「ISISはオバマ大統領を称賛している。ISISを創設したのはオバマ大統領だ。そして、その共同創設者がいかさまヒラリーだ」

【参考記事】ライアンやマケインも敵に回し、ますます孤立するトランプ

なぜ「イスラム過激派」と言わないか

 トランプはまた、フロリダ州オーランドやカリフォルニア州サンバーナディーノで起きた銃乱射テロなど、ISISに感化されたローンウルフ(一匹狼)型のテロ事件に関し、クリントンが「イスラム過激派」という言葉を使わないことをやり玉に挙げた。

【参考記事】トランプには「吐き気がする」──オランド仏大統領

 クリントンが「イスラム過激派」という言葉を使わないのは、ISISの暴虐ぶりはもはやどんなイスラムの教義からもかけ離れており、イスラム教への差別も招くからだが、トランプはそんなことはお構いなしだ。

【参考記事】自称「救世主」トランプがアメリカを破壊する

 ツイッターでトランプは「イスラム過激派という言葉を使うのを拒むくせに難民の受け入れ枠を550%も増やそうとしている」「我々の日常がイスラム過激派による脅威にさらされているのに、クリントンはイスラム過激派という言葉を使うことすらできない」などと投稿。「クリントンが加担した中東の戦争によって、破壊とテロ、そしてISISが世界各地に蔓延した。クリントンの判断は他の誰よりも最悪だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン氏陣営、選挙戦でTikTok使用継続する方

ワールド

スペイン首相が辞任の可能性示唆、妻の汚職疑惑巡り裁

ビジネス

米国株式市場=まちまち、好業績に期待 利回り上昇は

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中