最新記事

軍事

南シナ海の中国人工島周辺への米艦再派遣は新年以降に

シリアでのISIS掃討に向けて、対中関係に配慮か

2015年12月15日(火)11時30分

12月14日、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内へ米海軍が年内に艦船を再び派遣することはない見通しだ。3人の米国防当局者が14日、明らかにした。写真は中国が人工島を造成したスプラトリー諸島スビ礁の衛星写真。9月撮影。提供写真(2015年 ロイター/CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe)

 南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリ(約22キロ)内へ米海軍が年内に艦船を再び派遣することはない見通しだ。3人の米国防当局者が14日、明らかにした。

 海軍上層部はこれまで、国際法で認められているとみなす権利を行使する計画の一環として、12月にも南シナ海で「航行の自由」作戦を再び実行する意向だった。

 しかし、当局者らによると、過激派組織「イスラム国」との戦いに注力するなか、中国との緊張が高まるリスクを考慮したオバマ政権が作戦再実行を承認しなかったという。

 1人の当局者によると、次回の派遣は年明け1月となる見通し。

 米海軍のミサイル駆逐艦は10月、南シナ海で中国が造成した人工島から12カイリ内を航行。これに対して人工島周辺の海域を「領海」と主張する中国は反発した。

 米国防総省のビル・アーバン報道官は14日、海軍の今後の作戦計画に関してのコメントを拒否。ロイターに対し、「カーター国防長官がこれまでに述べているように、米国は国際法が許している地域ならどこでも飛行・航行し、作戦を実行する」と述べた。

 

[ワシントン 14日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

オリックス、自社株取得枠の上限を1500億円に引き

ワールド

台湾有事巡る発言は悪質、中国国営メディアが高市首相

ワールド

果断に政策「歳出躊躇せず」、強い経済へ積極投資 対

ビジネス

午後3時のドルは154円後半で9カ月ぶり高値、上値
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中