最新記事

動物

19歳のロシア女性「ヒグマが私を食べている!」と実況 人肉の味は親熊から仔熊に引き継がれる

2023年3月31日(金)14時30分
中山茂大(ノンフィクション作家・人力社代表) *PRESIDENT Onlineからの転載
熊の親子

*写真はイメージです Volodymyr Burdiak - shuttrerstock


なぜ熊は人間を襲うのか。ノンフィクション作家の中山茂大さんは「積極的に人間を襲うことはないとされているが、偶発的に人肉の味を覚えると厄介だ。ロシア領のカムチャッカ半島では、19歳の女性が熊に襲われながらその模様を電話で母親に伝えた『ペトロパブロフスク熊事件』が有名だ」という――。


「ペトロパブロフスク熊事件」とは

10代の女性がヒグマに襲われ、自分の身体を喰われながら、携帯電話で母親に助けを求める......。

そんなショッキングな事件が2011年にロシアで発生した。

「ペトロパブロフスク熊事件」として、ネット上では有名な事件だが、ロシア内での最初の報道などを参照し、改めて事件の経緯をたどってみよう。

ロシア領カムチャッカ半島は北海道から1000キロ以上も東にある。ペトロパブロフスクはその第1の都市だ。

イゴール・ツィガネンコフ(45)、彼の妻のタチアナ、娘のオルガ(19)、祖母の4人家族は、ペトロパブロフスク近郊のコリャーキ村に住んでいた。

その年の夏、彼らは多くのカムチャッカの住民と同じように、ダーチャ(菜園付きの別荘)で過ごしていた。

その土曜日、イゴールと娘のオルガは、パラトゥンカ川に遊びに行くことにした。

目撃者によると、その地域の草丈は2メートルを超えていた。茂みに何かが潜んでいても見つけることは難しかった。

車を川のほとりに停め、ふたりは森の小道を歩いていると、突然、ヒグマが茂みから飛び出し、イゴールの頭部を打ち砕いた。イゴールは悲鳴もあげずに即死した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、22年2月以来の低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 8

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中