最新記事
文学

日本の小説が厳しい現実を生きる韓国の若者を癒す...人気なのはピュアな恋愛小説と太宰治?

DEEPLY ROOTED

2025年9月18日(木)12時15分
金敬哲(キム・キョンチョル、ジャーナリスト)
本を読む女性

日本の小説は韓国の若者にも人気だ fornStudio

<韓国では出版される書籍の約2割が日本の書籍。日本の小説も人気だが>

日本の書籍は以前から韓国で出版される書籍の2割を占めるほど存在感を発揮してきた。未曽有の「Jカルチャー・ブーム」が到来した2023年には『すずめの戸締まり』をはじめとしたアニメ関連書籍と若い作家たちのライトノベルが、韓国の大手書店の年間ベストセラーに次々と選ばれ、メディアの注目を集めた。

新海誠『すずめの戸締まり(스즈메의 문단속)』

新海誠『すずめの戸締まり(스즈메의 문단속)』 DAEWON C.I.

24年にハン・ガンが韓国人として初めてノーベル文学賞を受賞して韓国小説ブームが到来しても、若者層を中心に日本の小説の人気は根強い。


韓国最大のインターネット書店イエス24によると、過去5年間で最も売れた日本の小説は一条岬の『今夜、世界からこの恋が消えても』で、50万部以上も売れている。今年6月から同作が原作のミュージカルが上演され、映画版のリメークも製作に入っている。

一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても(오늘 밤, 세계에서 이 사랑이 사라진다 해도)』

一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても(오늘 밤, 세계에서 이 사랑이 사라진다 해도)』 MOMO

同作は、眠りに就くとその日の記憶を失ってしまう前向性健忘という独特な病を扱い、微細な感情描写や韓流コンテンツでは珍しい「ハイティーンロマンス物」という点も人気の要因だと指摘される。韓国の大衆文化評論家であるキム・ホンシクは、「最近の韓国の10代、20代前半はむしろアナログ感性のピュアなロマンス物を好む傾向が見られる」と分析している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

SEC職員の18%が昨年9月までに退職、対応能力一

ワールド

ナフサなど石油関連製品、現時点で需給上の問題生じて

ビジネス

中東緊迫化、利上げに前向きな意見相次ぐ 基調物価の

ビジネス

午前の日経平均は大幅続落、一時2800円超安 中東
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中