最新記事
経済制裁

中国車輸入に支障、アメリカの対ロ制裁で決済が困難に

2024年7月11日(木)17時37分
ウラジオストク 中国車

Workers walk past new Chinese cars unloaded from a ship at a commercial port in Vladivostok, Russia August 25, 2023. REUTERS/Tatiana Meel

ロシア自動車販売店協会のアレクセイ・ポドシェコドリン会長は、ロイターに対して、米国による制裁でロシアと中国の間の決済に支障が生じており、ロシアの中国車輸入に深刻な問題をもたらしていると語った。

制裁への懸念から中国の大手銀行がロシアとの取引に及び腰になる中、ロシアと中国は決済の遅延を回避しようと、中国の小規模な地方銀行を経由するなど複雑な手段に訴えている。


 

ポドシェコドリン氏は、小規模な輸入業者は決済ができない事態に直面しており、問題は特に深刻だと話す。「たとえ(中国にある)ロシアの銀行がルーブル口座のサービスを行っていたとしても、もやは中国と取引できない。資金は銀行にとどまり、執行はできない」と説明。

「以前は大手銀行だけが関与していたが、次第に制裁リストに追加されたため、取引は中小の銀行に流れるようになっている」と述べた。

ウクライナ侵攻以降、欧米勢が相次いでロシアから撤退したことから、中国の自動車メーカーはロシア市場の半分以上を掌握。税関統計によると、中国の対ロ自動車輸出は今年1─5月、前年同期比36%増の48億6000万ドルだった。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米議会予算局、トランプ関税による財政赤字削減予測を

ワールド

米、日本への支援「揺るぎない」 国務省報道官が投稿

ワールド

イラン、米との核協議再開に向けサウジ皇太子に説得要

ビジネス

米シカゴ連銀総裁、12月利下げに「不安」 物価デー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中