最新記事

仕事

今の仕事に行き詰っている人へ、キャリアパスを仕切り直す5つの助言

Navigating Your Career in an Upside–Down World

2021年11月12日(金)17時21分
ドリー・クラーク(デューク大学フクア経営大学院客員教授)
迷路の打破

C.J. BURTON/GETTY IMAGES

<転職の場合も社内異動の場合も「自分は変われる!」という信念の下、これまでの経験を武器に諦めず取り組もう>

専門職として働く人の多くが、このコロナ禍で生活の大きな変化に見舞われた。仕事を失った人もいれば、リモートワークへの切り替えを突然迫られた人もいるだろう。

仕事環境の変化の影響は今も続いている。そこで本誌米国版と人脈サイト「リンクトイン」のインタビューシリーズ「ベター」が、キャリア形成の専門家リンゼー・ポラックにこの時代を生き抜くためのポイントを5つ挙げてもらった。ポラックはコロナ禍がもたらした変化に対応するための指針をまとめた著書『リキャルキュレイティング』を出版したばかりだ。

■「成長マインドセット」から始めよう

今後のキャリアプランを変えるに当たっては「絶対に変化は起こせる」と心から信じる必要がある。スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドウェックは「成長マインドセット」と「固定マインドセット」という概念を提唱した。これは、今後も自分は成長できると考えるか、自分の資質は変わらないと思い込むかということだ。

ポラックによれば、この成長マインドセットで物事に取り組むことが大切。「粘り強く頑張れば何でも可能だと信じるところから始めよう」

■キャリアの見直しはゼロからの出発にあらず

仕事を変えることになったとしても、ゼロからやり直すわけではない。ナビシステムに例えるなら、ルートを再検索したとしてもスタート地点に戻って出直す必要はない。「(新しいルートは)常に現在地から始まる。どんな職種であれ、これまでの技術や知識や経験の蓄積がある」とポラックは言う。

自分で自分を「査定」してもいいし、コーチングのプロに依頼したり、母校の就職課を頼るといった手もあるだろう。とにかく既に身に付けた自分の強みや技術の中で、次のステップに役立ちそうなものを見極めるのだ。

■話をして前向きになれる相手を見つけよう

次に進む道を見つけるのは根気と忍耐力の要る作業だ。ポラックのおすすめは、状況報告をする相手を2~3人決めておいて、モチベーションが下がってきたらすぐに話ができるようにしておくことだ。

ポラック自身、嫌気が差したりやる気をなくしたときに連絡を取る相手を決めている。友人たちはそのときの状況に合わせ、今やらなければならないことをきちんと終わらせろとハッパを掛けてくれたり、その前に一休みして疲れを癒やせと言ってくれたりする。

学生時代もポラックは、大変な作業の最中や終わった直後には母に電話し、励ましや支えの言葉をもらっていた。「そうすると、ひるむ気持ちや面倒に思う気持ちが少し和らいだ」とポラックは言う。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン大統領代行にモフベル第1副大統領、5日間の服

ビジネス

四半世紀の緩和、大企業・製造業は為替影響の回答目立

ワールド

頼清徳氏、台湾新総統に就任 中国に威嚇中止を要求

ビジネス

アングル:海外短期筋が日本株買い転換の観測、個人の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中