コラム

サンクトペテルブルグ爆発 「容疑者」像とプーチン政権の出方

2017年04月04日(火)22時50分

プーチン政権の出方

いずれにしても、大統領選を前にしたプーチン政権としては、今回の事件が国民の支持離れにつながる事態だけは避けなければばらない。

折しもモスクワなど大都市ではメドヴェージェフ首相の汚職疑惑に端を発する反政府運動が発生している最中であり、来年3月に大統領選を控えたプーチン大統領としては「シリアなどに介入するからこんなことになるのだ」という非難を浴びる構図だけは避けたいだろう(前述の旅客機爆破の際も、当初はその懸念からテロ説を否定していた)。

【参考記事】ロシアの反政府デモにたまらず参加した子供たち

こうなるとプーチン政権が取りうる選択肢は、「テロとの戦い」を掲げて今回の事件を国民世論の動員に利用する方向であると思われる。具体的には、北カフカスでの掃討戦強化やシリアでの大規模空爆といった派手な軍事的手段により、テロに屈しない強い政権をアピールする方向性が考えられよう。

大統領選まで1年を切ったロシアで、「テロとの戦い」が再び重要イシューに浮上する可能性が出てきた。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

プロフィール

小泉悠

軍事アナリスト
早稲田大学大学院修了後、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究などを経て、現在は未来工学研究所研究員。『軍事研究』誌でもロシアの軍事情勢についての記事を毎号執筆

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