コラム

麻生大臣はコロナ経済対策を誤解している?「給付金は効果なし」は本当か

2020年11月25日(水)12時04分

国内ではコロナ関係の倒産が増加しているものの、倒産件数の絶対値は上半期3956件と昨年同期4172件より少ない。生活保護の申請も4月には増加したが、5月以降は減少傾向が続く。これは給付金をはじめとする各種施策の効果であり、一律給付を実施しなければ、数字はもっと悪くなっていただろう。

給付金を中心とした支援はあくまで短期的なパニックを回避するためのものであり、政策の効果は倒産や生活困窮者の増加ペースで判断すべきである。一方、消費を喚起するGoToキャンペーンといった施策は、賛否両論はあるものの景気回復を目指したものであり、効果についても、個人消費や産業活動指数といったデータを用いるのがよい。

冬以降、感染が再拡大し、仮に緊急事態宣言を再検討することになった場合、短期的な対策と長期的な対策を混同しないよう注意が必要である。コロナへの対処方法も徐々に分かってきたことや、政府の財政状況が厳しいという現実を考えると、次に短期的な施策を実施する場合には、生活困窮者に限定するといった工夫が必要となるだろう。

<本誌2020年12月1日号掲載>

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加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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