Francesco Guarascio Phuong Nguyen

[ハノイ 8日 ロイター] - 日本の伊藤直樹駐ベトナム大使はロイターに対し、ベトナムに大規模な原子力発電所を建設する計画から日本が手を引いたと明らかにした。スケジュールがあまりにタイトなことが理由だという。

電力不足回避に向けたベトナムの長期戦略が複雑化する可能性がある。

伊藤氏は「日本側は『ニントゥアン2』プロジェクトを実施する立場にない」と語った。同プロジェクトはベトナムの発電能力増強戦略の一環で、計画されている原発の発電能力は2─3.2ギガワット。

政府のロードマップによると、ニントゥアン2は同じ発電能力の「ニントゥアン1」と共に2035年までに稼動する予定だ。

通常緊密なベトナムと日本の関係にはひずみが生じており、ハノイ中心部におけるガソリンバイク禁止計画は市場を支配するホンダを怒らせている。9月に日本大使館からベトナム当局に送られたこの問題に関する書簡には、まだ正式な返信が得られていないという。ただ、伊藤氏はベトナム当局がさらなる協議を進めようとしているのかもしれないと述べた。

両原発に関する作業は10年代初頭に始まったが、安全性と予算上の懸念からベトナム政府が16年に中断。ロシアがニントゥアン1プロジェクトを、日本がニントゥアン2を受注していた。

ベトナムは昨年に原子力エネルギープログラムを再開し、日本とロシアにプロジェクト実行を要請したが、伊藤大使によると、ベトナム政府関係者との会合の後、日本は完成の期限が近過ぎるとして11月に撤退を決定した。

ベトナム商工省と、ニントゥアン2のベトナム側パートナーであるペトロベトナムはコメント要請に応じなかった。

ベトナム政府関係者によると、ニントゥアン1についてもまだ合意署名は行われていない。

伊藤大使は、日本は後の段階でベトナムに原発を増設する選択肢、特に小型モジュール炉を検討していると述べた。

ベトナム国内外の複数の関係筋によると、フランス、韓国、米国の投資家がニントゥアン原発に関心を示している。

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