ニュース速報

ワールド

インド中銀が0.25%利上げ、6会合連続 追加引き締め示唆

2023年02月08日(水)16時57分

 2月8日、インド準備銀行(中央銀行)は、主要政策金利のレポレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げて6.50%とすることを決定した。写真は同行のロゴ。ニューデリーで2018年11月撮影(2023年 ロイター/Altaf Hussain)

[ムンバイ 8日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げて6.50%とすることを決定した。利上げは6会合連続で、市場の予想通りだった。

ただ中銀は、コアインフレ率が高止まりしているとして、市場の予想に反し追加の引き締めを示唆した。

政策スタンスは引き続き緩和解除が焦点になるとした。

インドでは小売物価上昇率にピークの兆しが見られているものの、コアインフレは高止まりしている。

中銀は昨年5月以降、計250bpの利上げを実施しており、アナリストの間では今回が現在の引き締めサイクルで最後の利上げになるとの見方が多かった。

今回の決定では金融政策委員会メンバーの6人のうち4人が利上げを支持した。

ダス総裁は、コアインフレ率が高止まりしているとし、追加の政策調整が正当化されると主張。「コアインフレ、基調インフレの粘着性は懸念要因だ。インフレの決定的な鈍化が必要だ」と述べた。

「消費者物価指数(CPI)総合指数の上昇率を抑制する決意が今後も揺らいではならない」とも語った。

2月1日の予算案発表前に実施されたロイター調査では、エコノミスト52人中40人が25bpの利上げを予想。12人は据え置きを予想していた。

ダス総裁は、インフレ調整後の実質金利が新型コロナウイルス流行前の水準をなお下回っていると指摘。流動性についてはコロナ流行時の水準を下回っているが、依然として余剰があると述べた。

12月のCPI上昇率は5.72%で、前月の5.88%から鈍化。中銀の許容レンジ(2─6%)上限を2カ月連続で下回った。

ただ食品・燃料を除くコアインフレ率は6.1%で高止まりしている。

コタック・マヒンドラ・バンクのチーフエコノミストは「今後はインフレの鈍化が始まり、実質金利が近く新型コロナ前の水準に近づくだろう。このため、追加利上げの必要性は引き続き限られている。4月に政策スタンスが修正され、長期間利上げが停止されるだろう」と述べた。

ダス総裁は「世界経済の見通しは数カ月前ほど厳しくないようだ。主要国の成長見通しは改善しており、インフレも主要国で依然目標を大きく上回っているが、鈍化傾向にある。状況は流動的で不透明だ」と述べた。

INGのエコノミストは「一部のインフレ指標が6%を下回り、数カ月その水準を維持するという形でインフレの脅威が低下するまでは、追加利上げの可能性を排除できないと考えるのが妥当のようだ」と指摘。

「このため、当社は予想を修正する。追加の25bp利上げがあり、政策金利のピークは6.75%になる。利下げ時期は来年以降にずれ込むだろう」と述べた。

キャピタル・エコノミクスも、4月の25bp利上げの可能性は明らかだと指摘。ただ1月と2月のインフレ統計に大きく左右されるとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IMF、24・25年中国GDP予想を上方修正 堅調

ワールド

タイ当局、タクシン元首相を不敬罪で起訴へ 王室侮辱

ビジネス

国債先物は続落、長期金利約12年半ぶり高水準1.0

ビジネス

中国国有銀が人民元を下支え、スワップ取引活用=関係
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 3

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 4

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 10

    「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニュ…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中